和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年06月13日(日)

墜落のB29搭乗兵を慰霊 田辺市龍神村

少人数で営まれた慰霊祭(和歌山県田辺市龍神村で)
少人数で営まれた慰霊祭(和歌山県田辺市龍神村で)
連合軍戦没アメリカ将士之碑
連合軍戦没アメリカ将士之碑
 和歌山県田辺市龍神村殿原区は5日、地元の「連合軍戦没アメリカ将士之碑」で、太平洋戦争末期に区内に墜落した米軍爆撃機B29の搭乗兵の慰霊祭を営んだ。新型コロナウイルスの影響で今年は規模を縮小し、少人数の地元住民だけの参列となったが、途絶えることなく今年で76回目を数えた。


 B29は1945年5月5日午前11時ごろ、日本の戦闘機に撃墜され、搭乗11人のうち7人が死亡、4人は脱出したが、3人が処刑され、1人は不明とされている。

 墜落の翌月には現場で仏式の供養があり、以後地元で毎年慰霊祭を営んでいる。惣大明神そばに慰霊碑があり、昨年には、搭乗兵のことを思い、平和への願いを込めた歌「殿原の祈り」の歌碑も地元で建てた。

 子どもの頃に墜落を目撃し、史実の調査や語り部を続けてきた古久保健さん(82)はじめ、深瀬武文区長(66)、古久保さんの後継者の一人、五味一平さん(42)ら12人が参列。大応寺(龍神村東)の松本周和住職(71)の読経に続き、焼香した。

 深瀬区長は「慰霊祭はこれまで継続されており、これからも戦争のない、平和な世界になるよう続けなければいけない」と話した。

 古久保さんは「地元では5月の慰霊祭が定着している。1人、2人でできることではなく、区の主催で、さまざまな協力があり続いている。戦争があったことは消すことのできない史実であり、どのようにして戦争のない世界にするか、歴史に学び、次の時代へ伝達していかなければいけない」と語った。

 慰霊祭の後、碑に千羽鶴を供えた人もいた。