和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年05月23日(金)

知事選に共産党が擁立 元和歌山市議の松坂氏

立候補を表明する松坂美知子氏(8日、和歌山市で)
立候補を表明する松坂美知子氏(8日、和歌山市で)
 共産党和歌山県委員会は8日、岸本周平知事の死去に伴う知事選(15日告示、6月1日投開票)に、党県副委員長で元和歌山市議の松坂美知子氏(68)=和歌山市=を、党公認候補として擁立すると発表した。松坂氏の知事選出馬は前回に続いて2回目。

 松坂氏は会見で出馬の理由として「自民党が推している候補者に県政を白紙委任することはとどめたい」と述べた。岸本氏の死去に悔やみの言葉を述べた上で、県民の生活は物価高などで大変な状況といい「暮らしを助ける県政へ」をテーマに訴えていくとした。その一つとして、賃金を引き上げた中小企業を支援する施策などを考えているという。また、県の合意により、国が南紀白浜空港を「特定利用空港」に指定したことについても、攻撃対象になったり軍事利用につながったりすると批判。撤回を求めていきたいとした。減少が進む県人口にも言及し、豊かな自然や生活環境の良さをアピールするなどの対策を打ちたいとした。

 松坂氏は和歌山市出身、お茶の水女子大学卒業。茨城県の町議や市議を務めた後、和歌山市議を2019年まで2期務めた。同年と23年の県議選(和歌山市選挙区)、22年の知事選に出馬し落選した。

 共産党は1991年から2018年選挙までの約30年にわたり、党県委員会や労働組合、女性団体などでつくる団体「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が擁立する無所属候補を推薦してきた。前回に続き「つくる会」が擁立を断念したのを受け、公認候補を立てることにした。



 知事選にはこれまでに、副知事の宮﨑泉氏(66)が無所属での出馬を表明していて、選挙戦になる見込み。宮﨑氏は自民党県連が擁立(党本部に推薦を申請中)し、立憲民主党、国民民主党、社民党県連も推薦を決めている。