和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年02月19日(水)

学生視点で盛り上げ スタンプラリーに611人、熊野三山観光協、和歌山

大学生に立案してもらった世界遺産登録20周年記念事業の報告会(3日、和歌山県新宮市で)
大学生に立案してもらった世界遺産登録20周年記念事業の報告会(3日、和歌山県新宮市で)
 若年層の誘客を目指し、大学生に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年記念事業を立案してもらった熊野三山観光協会の取り組みで3日、事業報告会が和歌山県新宮市の東牟婁振興局であった。実施したデジタルスタンプラリーには611人が参加し、アンケート回答者の2割余りが若年層(18~34歳)という結果。協会は「学生視点で20周年を盛り上げていただいた」と感謝し、引き続き協力を呼びかけた。


 熊野三山観光協会は熊野地域の観光PRや情報発信のため、熊野本宮観光協会と那智勝浦観光機構、新宮市観光協会、東牟婁振興局地域づくり課で構成している。

 今回の取り組みでは、和歌山大学観光学部と京都産業大学経営学部の学生が記念事業の立案から協力。実際に取材をするなどし、熊野三山やその周辺にある計36のスポットを巡る「熊野三山まちあるきデジタルスタンプラリー」(2024年7月7日~11月30日)を実施したり、大学生目線でスポットを紹介する「熊野三山まちあるきマップ」を作ったりした。情報発信では、若年層の利用が多いSNSのインスタグラムやTikTok(ティックトック)などの活用に力を入れた。

 報告会ではオンラインで参加した学生たちが、事業の概要や成果を報告した。

 スタンプラリーには611人が参加し、うち40・1%に当たる245人が2市町以上を訪問。参加者が訪れたスポットの総数は2734に上った。

 また、スタンプラリーの特典を受け取ってアンケートに回答した111人の年齢を調べたところ、目標としていた若年層(18~34歳)の割合は22・5%(25人)だった。

 ただ、年齢層は55~64歳が28・8%(32人)と最も多く「すでに獲得している年齢層を伸ばしつつ、若年層にもよりアピールする必要がある」と指摘。学生向けのプランを作成し、SNSなどで発信することなどを提案した。

 出席した協会関係者からは「SNSはいかに継続するかにかかっていると思うので、これからも発信していかなくては」「SNSのリール動画(短い動画)が約7万人に見てもらっており、熊野を知っていただくきっかけになった」といった声が出ていた。