和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年02月19日(水)

AIでシャツデザイン 白浜、すさみの中学生、地元の魅力表現、和歌山

完成したアロハシャツを着た、南紀熊野AIデザイン部の中学生(和歌山県すさみ町周参見で)
完成したアロハシャツを着た、南紀熊野AIデザイン部の中学生(和歌山県すさみ町周参見で)
 和歌山県すさみ町と白浜町在住の中学生10人が、生成AI(人工知能)を活用して、地域の魅力を発信するアロハシャツを手がけた成果発表会が1日、すさみ町周参見の総合センターで開かれた。生徒は、それぞれ作成したシャツを協力団体や保護者らに披露して、作品に込めた思いなどを伝えた。

 すさみ町やIT企業ウフル(東京都)などでつくる共同事業体「すさみスマートシティ推進コンソーシアム」が経済産業省の助成事業を受けて取り組んだ。

 地域間の教育格差や学びの選択が限られているなどの課題に向けて、産官学が連携し、生徒が将来必要なデジタルスキルを学び、未来を担う人材に育むことが目的だという。

 生徒は、地域を超えてつくった「南紀熊野AIデザイン部」の部員として、昨年9月から活動に取りかかった。地域の魅力を表現したデザインを考え、座学や協力団体へのフィールドワークを通して、専門家の助言を受けながら、独自のアロハシャツを完成させた。

 成果発表会では、生徒10人が5分間でそれぞれアロハシャツを披露した。作品のテーマやデザインに込めた思いなどを映像を交えながら発表した。

 白浜中学校1年の谷坂芙佳さん(13)は「白浜温泉をテーマに、自分の思い描いた作品に仕上がったのでうれしかった。この経験をこれからの学校生活にも生かしていきたい」、白浜中2年の小森一郎さん(14)は「地域の誇りをアロハシャツに込めたくて、パンダのデザインを施した。AIをうまく活用しながら、納得のいく作品ができた」と話した。

 コンソーシアム顧問の南紀白浜エアポート(白浜町)岡田信一郎社長は「シャツのデザインに生徒の思いが詰まっていて、すさみ町や白浜町の魅力を改めて感じる機会につながった。この活動を今後の学びに生かしてほしい」と講評した。

 「すさみスマートシティ推進コンソーシアム」は、2021年8月にすさみ町を含む7団体によって発足され、同町の高齢化や人口減少などの地域課題に取り組んでいる。