和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年02月14日(金)

少雨で富田川干上がる アユ遡上への影響心配、和歌山県紀南地方

瀬切れで水が見えなくなった富田川(和歌山県上富田町市ノ瀬で)
瀬切れで水が見えなくなった富田川(和歌山県上富田町市ノ瀬で)
 昨年12月以降、和歌山県紀南地方の雨が少なく、富田川では大きな瀬切れが起こっている。漁協関係者は「アユの遡上(そじょう)が始まる春までに、まとまった雨が欲しい」と気をもんでいる。

 和歌山地方気象台によると、富田川の上流域に位置する栗栖川(田辺市中辺路町)の降水量は、昨年12月が10ミリで平年値の86・9ミリを大きく下回っていた。今年1月も23日までに33ミリと平年値の3割程度にとどまっている。下流域に位置する南紀白浜(白浜町)も同様で、昨年12月は4・5ミリとほとんど雨が降っていない。

 富田川漁協によると、富田川では年明けから瀬切れが顕著になってきたという。上富田町の生馬から市ノ瀬までの広範囲で起こっている。市ノ瀬橋の下流域は水が確認できない状態。漁協は「12月は本当に雨が少なかった。これほどひどいのは近年では珍しい」と話す。

 県内水面試験地(紀の川市)は「いまの瀬切れは、海にいる稚アユに直接影響はないが、3月の遡上時にはそれなりの水量が必要になる」と話している。