和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月13日(金)

【不登校ママの全国大会】開催レポート ファミスペ2024 in 関東「子どもの自立をサポートするために、親が家庭でできること」

ファミラボ
大切なのは、「時間軸」と「予算軸」。親は子どもの自己選択を邪魔せず、環境を整えていこう。学校へ行くことよりも大切なこととは何かを学ぶ。


全国各地から106名の母親が参加いたしました。登壇者は(株)おめめどう代表 奥平綾子氏。

NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ(所在地:大阪市天王寺区、代表者:鈴木典子、以下「ファミラボ」)は、2024年11月30日(土)横浜市にて、不登校、引きこもり、発達に不安を感じている、という状態のお子さんの家族を対象に、第12回ファミラボ全国大会「ファミスペ2024 in 関東」を開催しました。

【イベント詳細】https://fami-lab.com/npo/news/2024/09/887/


年に一度の全国大会「ファミスペ2024」。全国各地から106名の母親が集い、同じ不登校という悩みをもつ仲間との交流を楽しみました。

セミナーだけではなく、その後の懇親会、翌日は横浜観光を実施し、先輩ママ、渦中のママ、不登校なりたてのママ、色々なステージのママがお互いに刺激しあい、ピアサポートの役割を発揮する場となっています。

また、ファミスペは『ママのはじめてを応援する』というテーマも持っています。
不登校という難しい子育てに取り組む母親が年に一度、
 ・はじめて子どもを置いて、一人で長時間のお出かけ
 ・はじめて家族を置いて、一人で一泊旅行
 ・はじめて、自分のためだけにお金をかける
ママのリフレッシュと共に、ママの自立、ママの楽しんでいる姿を、お子さんやご家族に見ていただきたいという思いを載せて企画しています。

子どもの自立をサポートするために、親が家庭でできること
今回のセミナーは、視覚的支援のツール開発・販売20年の奥平綾子さん((株)おめめどう代表)と、当法人相談役の谷田の2人を講師に迎え、「視覚支援と母子分離の大切さ」の観点から「子どもの自立をサポートするために、親が家庭でできること」をテーマにセミナー、ワークショップを実施しました。

2人の話で共通することは、家族みんなが心地よい暮らしになること。
そのために、「時間軸」と「予算軸」は最も大切で、「みとおし」ができることで、家族全員の心が安定してきます。
講師は共に、当事者であり実践者ですので、発せられる言葉は、真剣そのもの。耳の痛い言葉も多くいただきましたが、たくさんのライフハックを教えていただきました。


見通しで子どもに安心安全の暮らしを作る。登壇者は、当法人相談役 谷田ひろみ。


不登校の子を持つ母親の多くは、「優しく子ども想い、そして一生懸命なママ」です。
当法人では、母子分離の大切さをよく伝えていますが、子どもが不登校になると、親はどうしても手をかけてしまいがちです。良かれと思い一生懸命お世話することは、子どもの自己選択を邪魔してしまうことにつながります。

こうした行動をしてしまう親のことを、奥平さんはエスパーと名付けていらっしゃいますが、「エスパーしない、言ってくるまで待つ」が大事。エスパーになると、同一保持などの様々な弊害が起きてきてきます。その事例と理由は、参加者の大きな納得を得る内容でした。
スケジュールは命、親は子どもの時計
今回のセミナーで学んだ大切なことは、時間、空間、性、言葉、親と子、責任、あらゆるものを分け、自分のことは自分で選ぶ、という自己選択を邪魔しない。そして、それぞれにあった環境を整えていくことが親のできること。

それを実現するために、奥平さんの開発された支援グッズと、谷田のスケジュール管理術が活躍します。まずは親である自分が実践することからスタートです。

しかしこれらに取り込むことは、二の足を踏む方も少なくないのですが、手立てに取り組んだ場合の予後は、本当に大きく変わってきます。まず自身が整えることで、それを見ている子どもや家族が自然と変わってくるのを、今回の講師の二人は何度も目の当たりにしています。
実際、参加された方の中にも、それらを実践されていて、その方の体験談は、渦中の人に大きく響くこととなりました。

不登校の状況は、個々によって異なりますが、このセミナーの中にはたくさんのヒントがありました。参加していただいた方には、それをしっかり持ち帰り、子育ての参考になりましたら幸いです。

参加者の声
・よかれと思ってやっていることが子どもの成長を妨げることもあるのだということが衝撃でした。 意味、影響を知ること、考えてからやるかやらないかを決めることが大切なんだと。 何気にとか、自分の安心のためにやっていることはないかと振り返るきっかけになりました。 親は子どもに人権侵害してしまう危険があるのだと、距離感を大事にしようと思いました。

・おめめどうグッズは既に利用していますが、繰り返しお話しを聞くことで、理解が進みました。

・時間軸が相手を尊重する事を子供に自然と教えてくれる。子供からのテロ攻撃が来ても時間軸でお返事できる。生活が安心になる。約束を守ることで信頼が生まれる。どうしたら良いか 家族で相談できる。衝動で動かない。自分の人生を生きると言うこと。大人は時計。自律。良い事しかないですね。

・ただなんとなく漠然と過ごすのではなく、スケジュール管理の大切さがわかりました。また、それを私達母親が実行する事で子どもに背中をみせるのだなと納得がいきました。

・大勢の方の参加があったのに混乱もなく、お世話役のみなさまが手間と時間をかけて準備してくださったおかげだと感謝しています。セミナーはためになったし、懇親会は気兼ねなくお話ができて、心から笑えるとても楽しい時間でした。日本全国にお仲間がいることを実感できて心強かったです。

スタッフのコメント
当法人のスタッフは全員、不登校の子を持つ母親で構成され、ボランティアで活動しています。こうした大きなイベントを主催するのは初めてのメンバーが多く、毎年手探りで1年間かけて企画をしています。
こうした活動を通して、母親がイキイキとし、人としての成長も促せたらと日々切磋琢磨しています。

今回スタッフを経験して、自分の至らない所がわかったこと、少しは成長できたかなと思えたこと、感謝して感謝されることがこんなに嬉しいんだとじんわりあたたかい気持ちになりました。
参加してくださった皆さまには、楽しんでいただけていたら、とてもとても嬉しいです。

奥平さん、谷田さん、スタッフの皆さん、参加者の皆さん、ファミスペに関わった全ての人に感謝いたします。ありがとうございました。


開催概要日 時:2024年11月30日(土)12:45~16:30
場 所:横浜市社会福祉センター
対象者:不登校、引きこもり、発達に不安を感じている、という状態のお子さんがいらっしゃるご家族の方(お子様の年齢は問いません)
参加費:2,000円(NPO会員 1,000円)
イベント詳細:https://fami-lab.com/npo/news/2024/09/887/




会場から見た横浜の風景


NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ
NPO法人ファミリーコミュニケーション・ラボ、通称「ファミラボ」は、不登校の正しい理解の普及と、不登校児童を持つ保護者を支援する、同じ立場の保護者たちによるピアサポートグループです。

学習型親の会として、不登校のその後、子ども達の未来を大丈夫にするために、不登校期間中に親ができることは何か、をみんなで一緒に学んだり、考えたりしています。
オンラインを含む12会場で、各会場1か月~2か月に1度程度、傾聴勉強会やお茶会、交流会を開催しています。

当法人の実績として、当法人会員で中学校3年時に不登校だった頃から継続的に参加されている63人の母親にインタビューしたところ、5年後時点で非就学・非就労の人は、3人(5%)という結果が出ました。
(※中学3年時不登校だった子の5年通過時点。非就学・非就労の割合は2割弱。
『不登校に関する実態調査』~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(平成26年7月9日)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1349949.htm

※2023年4月 第3回キラッと輝く!OSAKA 市民活動グランプリ 優秀賞 受賞

ホームページ:https://fami-lab.com/npo/
メール:familab.info@fami-lab.com
電話番号:07052611115

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