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2024年11月24日(日)

岸谷五朗&寺脇康文“必死にやった”30年 半生をともに歩んできた『AAA』は「毎回、全力投球」

『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』に出演する(左から)岸谷五朗、寺脇康文(C)ORICON NewS inc.
『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』に出演する(左から)岸谷五朗、寺脇康文(C)ORICON NewS inc.
 俳優・岸谷五朗の呼びかけにより、1993年に始まったエイズ啓発のためのチャリティコンサート『Act Against AIDS』(AAA)。ミュージシャン、俳優、タレント、お笑い芸人のジャンルを越えた豪華キャストが集結し、1日かぎりのエンターテインメントショーを披露する。エイズ以外にも幅広い支援を視野に入れ、2020年に『Act Against Anything』として、新たに生まれ変わった。今年、3回目となる『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』は4年ぶりにAAAの聖地・日本武道館に戻り、12月1日に開催する。それを前に、岸谷と寺脇がORICON NEWSのインタビューに応じた。後編では、『AAA』の歴史を振り返りながら、健康を気遣うようになった最近の変化についても明かしている。

【写真】『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』への思いを語る岸谷五朗

――1993年から30年以上続けてこられた『AAA』を振り返ってみて、いかがですか?
【岸谷】エイズの一番怖いところは、人間が最も大切にしなきゃいけない絆とか信頼関係を壊してしまう差別を生んでしまうところ。特に30年前はエイズに関する情報も少なく、手をつないだら伝染(うつ)るとか喋ったら伝染るとか言われてました。友情を壊す病気であるならば、“人間同士の絆でチャリティを作ろう”っていう思いが全員の中にあって、ものすごく強いチームワークだった。必死にやって終わった後は、みんな良い顔をしてた。これはもう、俺たちとしては感謝しかなかったですね。申し訳なかったのは、きちんとリハーサルができなかったこと。本当はみんな、もっといい条件でいい歌とかいい演奏を聞かせたいわけじゃない?それを捨ててまで参加してくれるのよ。これはね、感謝でしかない。

【寺脇】みんな人として誰かの何かの役に立っているっていうことを一人一人が思ってくれてた。地球上に生きる1人の人間としての喜びを持ってもらえてるのかなと思いました。

――当時の出演者を集めるのは苦労しましたか?
【岸谷】チャリティって当時はなかなか難しくて。偽善と思われるからという理由で、やりたがらないアーティストも当然いたし。30年前に比べたら今は本当にみんなすぐに理解してくれるから、昔みたいに苦しかったり難しかったりすることはないですね。

――チャリティを続けている理由は何でしょう?
【寺脇】何かしたいという気持ちは、みんな持ってると思うんですよね。それが1年に1回、「今日は何かできたかもしれない」という実感を皆さん持ってもらえているのかなと思います。普段は自分のことばっかりやっているけど、その日に限っては、微々たるものかもしれないですけど、子どもたちや困ってる人のために時間を過ごせている喜びにもなっていたらいいなと思います。

―――今年60歳の岸谷さん、62歳の寺脇さんにとって人生の半分以上を『AAA』とともに歩んでこられました。
【岸谷】あっという間でしたね。「そうか、30年も経ったのか」という気持ち。やっぱり必死にやってるからだろうなあ。

【寺脇】毎回、「もう来るの?」って思うね。こう、夏ぐらいからね、キャスティング含めてやっていかなきゃいけないから、一回終わったら次くるのが早いなって。

――続けていくためのモチベーションは何でしょうか?
【岸谷】始めた時から来年も再来年もやろうなんて全然思ってなくて、終わると「次やろう」と思ってる。武道館の帰り道、車に乗ってる時には、「もう来年やるんだな」っていう頭になってるから、今はまだ(今年12月1日開催の)武道館が来てないから、その先は考えていないなあ。

【寺脇】これを義務にするのも違うと思うんです。ただ、自分たちのやる気があって続く限りはやりたいですね。五朗ちゃんとやっている地球ゴージャスもそうなんですけど、芝居をやりたくなったらやるというのが続いてるだけであって、何年続けようねとか、そういうのは何もないわけですよ。でも、「まだまだやりたい」「もう1回やりたい」というのが毎回続くんで。長くやってるというよりは、1回1回の積み重ねが、数字になってるだけ。毎回、全力投球するだけですね。

――30年以上、共に過ごされてきてお互いに変化はありましたか?
【寺脇】2人で同時にお昼にお酒を飲むことが多くなりました(笑)。これはお互いの変化です。もう昼飲みしかしてないです。夜から飲むなんて、もうそんなことは考えられないよね。昼に会ってさ、4軒くらいハシゴしてね。

【岸谷】飲んでいる間の時間は一緒。夜から朝まで飲んでいたのが、昼から(午後)8時くらいまでになった。

【寺脇】その日のスケジュールは飲むこと。普通は“仕事してから飲む”んだけど、今は“飲む”。そこで『AAA』のことも、何でもない話もいろんな話をしますから、すごい大切な時間です。

【岸谷】昼飲みの方がちょっと得してる感があるよね。みんなが働いている中、「飲んでいていいの?」みたいな。なんだろうね。あの得した感じ(笑)。

――それはいつくらいから?
【寺脇】50歳を超えてあたりぐらいかな。もう昼飲みしてもいいんじゃないか、2人ともって。やっぱり早く寝て、早く起きる生活になってくると。「五朗ちゃん、ちょっと昼から飲もうよ。バスのある時間に帰りたいんだ」って(笑)。

――お互い性格も変わりましたか?
【寺脇】若い時の勢いとか、それは変わってますけどね。でも、それは自然に変わってることなので根本は変わらないと思いますよ。

――最後に『Act Against Anything VOL.3「THE VARIETY 29」』を楽しみにしている人たちに一言お願いします。
【岸谷】異業種の人たちが集まるとても珍しいショーだと思うので、まずは楽しみにして来てほしい。武道館の中でみんなの熱狂がエネルギーになり、遠くで苦しんでいる人たちを救う出発点になる。みんなのエネルギーが収益金となり、寄付金となって、苦しんでいる人たちを少しでも助けられるものになる。そのためにまずエネルギーを武道館に集結させることが大事なんで、ライブを純粋に元気いっぱい楽しんでほしいです。

【寺脇】ライブに来てよかったと思っていただけますし、自分たちが人助けにつながっていることも確信してもらえると思います。このチャリティには、楽しんで人を助けるということが原点にあるので、まずは「観てよかった!」って思ってもらいたい。

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提供:oricon news