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2024年06月18日(火)

黒沢清監督、フランスの芸術文化勲章「オフィシエ」受章 大学時代に知り合った妻に最大限の感謝

(左から)フィリップ・セトン駐日フランス大使、フランスの芸術文化勲章「オフィシエ」を受章した黒沢清監督
(左から)フィリップ・セトン駐日フランス大使、フランスの芸術文化勲章「オフィシエ」を受章した黒沢清監督
 映画監督の黒沢清がフランスの芸術文化勲章「オフィシエ」を受章。10日に都内のフランス大使公邸で叙勲式が行われた。

【動画】フランスで撮影した映画『蛇の道』予告編

 黒沢監督は、『岸辺の旅』(2015年)で「第68回カンヌ国際映画祭」「ある視点」部門監督賞に輝き、『スパイの妻 劇場版』(20年)では「第77回ベネチア国際映画祭」銀獅子賞を受賞、『Chime』(24年)のワールド・プレミアを「第74回ベルリン国際映画祭」で行うなど、世界三大映画祭を中心に国際的な評価を獲得しながら、映画をつくり続けてきた。

 叙勲式では、仏フィリップ・セトン大使より、黒沢監督の幼少時代までさかのぼった経歴と、フランスの芸術文化勲章に相応しい映画監督としての功績を紹介。会場のスクリーンには、黒沢監督にゆかりある映画人たちからの祝福メッセージ映像も披露された。『ダゲレオタイプの女』(16年)からは、俳優のタハール・ラヒム、コンスタンス・ルソーが、そしてアルノー・デプレシャン、クレール・ドニ、『蛇の道』(6月14日公開)にも出演したマチュー・アマルリックは「日本で撮られる映画に出られるなら、飛んでいきますからね!そしてフランスでもまた映画を撮ってくださいね!」と親しみに満ちたコメントで、賛辞を送った。

 このメッセージを受けて、黒沢清監督は「(祝福)映像を想像もしていなかったので準備してきたものを読むべきかどうか…」と言いながらも「いくつかの幸運が重なって、映画を作る立場になり今日まで続けております。気づくと自らゆっくりとフランスに接近していたのか、フランスの方から近づいてきたのか、真相はわかりません。いずれにせよ、映画を続けるうちに、とうとう今夜のような名誉をフランスからいただくことになりました。驚くべきことです。身に余る光栄です」と感謝を口にした。

 人生で決定的な出会いがあったことを明かし、フランスに接近しはじめたのは映画評論家の蓮實重彦さんに「ジャン=リュック・ゴダールを真似するべし」と言われたことがきっかけだったと明かし、会場に駆けつけた蓮實氏に感謝を捧げた。そして、フランスでの映画制作に尽力をしてくれた映画評論家の梅本洋一氏、映画プロデューサーの吉武美知子氏には「全身全霊で」サポートを受けたとし、「フランス在住の多くの友人ができたことはかけがえのない思い出」だと語った。

 最後に、大学時代に知り合いそれ以降、常に黒沢監督を支え、時には「パリに行こう!」と「度胸がない僕に」ハッパをかけてくれるという妻にも、最大限の感謝の意を示した。「いろいろな人との出会いがあり、想像もしなかった晴れがましい出会いがあることを知りました。ありがとうございます」と、感激した様子で、あいさつを締めくくった。

 同章は1957年に創設。芸術・文学の領域で創造・普及に傑出した功績のあった人物に授与されるもの。日本人では過去に北野武や草間彌生、市川海老蔵(現・十三代目 市川團十郎)、坂本龍一らが受章している。

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提供:oricon news