和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

【動画】暗闇に黄金色の輝き 「子授けイチョウ」初のライトアップ

ライトアップの試験点灯で、黄金色に輝いた「子授けイチョウ」(24日、和歌山県古座川町三尾川で)
ライトアップの試験点灯で、黄金色に輝いた「子授けイチョウ」(24日、和歌山県古座川町三尾川で)
 和歌山県古座川町三尾川で「子授けイチョウ」の名前で親しまれている、光泉寺の大イチョウの黄葉が見頃を迎えている。町観光協会が初めてライトアップを計画しており、24日の試験点灯では暗闇の中、大イチョウが黄金色に輝いて関係者らを魅了した。ライトアップは26日から12月4日までの予定。


 光泉寺などによると、樹齢は約450年とされ、高さ約30メートル、幹回り約7メートル。乳房のように垂れ下がった気根があり、参拝すると子宝に恵まれるといわれている。「光泉寺の公孫樹」として1986年に町天然記念物に指定。テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」では「子育てイチョウ」として紹介された。

 ライトアップは、大イチョウの魅力をさらに高めることで地元の人たちに改めて素晴らしさを知ってもらうとともに、冬場や夜の誘客にもつなげたいとして、町観光協会が町や光泉寺の協力で初めて企画。昨年の実施を予定していたが、コロナ禍で見送っていた。

 好天に恵まれた24日は見頃を迎えた黄葉を見ようと、多くの見物人でにぎわった。小原征雄住職(79)によると、今年は20日ごろから色づきが増し、今がピーク。「例年より色づきが1週間ほど早いように感じる。自然の物なのでいつまで見頃か何とも言えないが、少しでも長く持ってほしい」と話す。

 日没後、観光協会の担当者が試験点灯に訪れ、2カ所からライトを使って照らすと、黄金色の大イチョウが浮かび上がった。聞きつけて訪れていた写真愛好者、坂本米男さん(76)=古座川町三尾川=は「以前からライトアップをしてくれないかと期待していたので念願がかなった。迫力があって観光の目玉になるのではないか。期間中、また見に来たい」と喜んだ。

 観光協会の鈴木貴裕会長(35)は「古座川町のこの時季の風物詩の一つである光泉寺の大イチョウをライトアップすることで、もともと魅力的だったものがさらに違った顔を見せ、地区や町民、外から来る方々に喜んでいただければ。神秘的でオーラを放っており、すごく感動した。ぜひ皆さんに見てもらいたい」と来場を呼びかけていた。ライトアップは来年以降も継続していきたいという。

 ライトアップの時間は午後5時~7時で、荒天中止。問い合わせは町観光協会(0735・70・1275)へ。