和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年06月25日(土)

被ばくの第五福竜丸建造75周年 串本町が平和記念事業計画

古座川の河口近くにある第五福竜丸建造の地であることを紹介する記念碑(和歌山県串本町西向で)
古座川の河口近くにある第五福竜丸建造の地であることを紹介する記念碑(和歌山県串本町西向で)
 和歌山県串本町(旧古座町)で建造され、太平洋のマーシャル諸島にあるビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で被ばくした第五福竜丸が今年、建造75周年を迎えたことから、串本町で平和記念事業が計画されている。

 町議会6月定例会の一般質問で22日、仲江孝丸議員(共産)の質問に対し、濵地弘貴教育次長が説明した。

 濵地教育次長は、2町合併前の旧古座町時代の被ばく50周年の際は平和のつどいやコンサート、写真展、映画・ビデオの上映会を開催したこと、資料や写真の収集、船大工の調査などに取り組んだことを紹介。「第五福竜丸建造の町として被ばくの歴史を風化させることなく後世に伝えるとともに、核兵器廃絶や平和への願いを込めた平和記念事業を本年度実施する予定」などと述べた。

 町教育委員会によると、記念事業は町民でつくる「第五福竜丸建造の地平和の歴史展実行委員会」の主催。今夏にパネル展や講演会の開催を計画しているという。

 第五福竜丸は1947年4月、古座川の中州にあった古座造船所で建造された全長29メートル、幅6メートルの木造船で、カツオ漁船第七事代丸として進水。マグロ漁船に改造され、53年5月に母港を静岡県焼津市とする第五福竜丸となった。

 54年3月1日、ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で「死の灰」を浴びた乗組員23人が被ばくし、無線長の久保山愛吉さんが同年9月に死去。原水爆禁止の国民的な運動が起こった。

 第五福竜丸は現在、東京都江東区の夢の島公園にある都立第五福竜丸展示館で船体の実物などが展示されている。

 一般質問ではこのほか、JR西日本が公表した利用客が少ない路線の経営状況で、県内では紀勢線の新宮―白浜間が含まれていた問題について五十川清紀議員(無)が質問。五十川議員が路線の存続に危機感を示したことに対し、田嶋勝正町長は「企業論理だけでローカル線を議論されてはとんでもない」と指摘した。 田嶋町長は、町内の発射場から打ち上げられるロケットの見学でJRの活用を促すことや、昨年運行したJR西日本の観光特急列車「WEST EXPRESS(ウエスト エクスプレス)銀河」が好評だったことに触れ「この地域には、全国から集まっていただけるだけのポテンシャルがある。ロケットを大きな武器に、JRがローカルバスなどに変わっていかないように一生懸命取り組んでいきたい。沿線24市町で紀勢本線活性化促進協議会をつくっているが、白浜から新宮まででがっちりタッグを組んで、強い要望を仕掛けていきたい」との考えを示した。

 一般質問は22~24日にあり、9議員が質問した。