和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月24日(水)

破っても、汚しても大丈夫 NPOころんがバリアフリー絵本図書館 和歌山・上富田

「選ぶ楽しさを知ってほしい」と、数十冊の絵本を自宅前などに車で持って行く「出張図書館」
「選ぶ楽しさを知ってほしい」と、数十冊の絵本を自宅前などに車で持って行く「出張図書館」
手作りの店「ヒコゴロン」店内の「バリアフリー絵本図書館」のコーナー(棚の左側)。棚の右側と右奥は木のおもちゃを無料で貸し出す「おもちゃ図書館」(上富田町生馬で)
手作りの店「ヒコゴロン」店内の「バリアフリー絵本図書館」のコーナー(棚の左側)。棚の右側と右奥は木のおもちゃを無料で貸し出す「おもちゃ図書館」(上富田町生馬で)
 障害児や発達の気になる子どもと家族の支援をしているNPO「ころん」(田辺市)は「バリアフリー絵本図書館」を、上富田町生馬、手作りの店「ヒコゴロン」と白浜町堅田の障害児通所施設「ことは」で始めた。破ったり汚したりしても職員が補修し、絵本を読むのに道具が必要な人には自助具を一緒に貸し出す。専用車による「出張図書館」も始め、希望者には自宅前まで出向く。いずれも無料。小川麻美理事長は「障害の有無に関係なく、赤ちゃんから高齢者まで、誰でも気軽に絵本を楽しんでもらえれば」と話している。


 子どもが本を傷つけることを心配したり、静かにすることが苦手で図書館や書店に行きにくかったりする家族、コロナ禍で外出しにくいといった人たちに、気軽に絵本を楽しむ場を提供したいとの思いから取り組むことにした。

 絵本は約200冊を用意した。点字が付いているものや、触って楽しめるように絵が立体になっているもの、音が鳴るもの、日本語が母語でない人や障害や認知症などで本の内容を理解することが苦手な人にもやさしく読めるように工夫されたもの(LLブック)、飛び出す絵本など、特別な配慮を加えて作られている絵本も多数そろえている。

 また、拡大鏡や傾斜台、ページをめくるスティックなど、障害のある人が絵本を読みやすいような自助具も一緒に貸し出す。

 貸出期間は2週間で、一度に1冊まで。出張図書館の希望者は1週間前までに電話で問い合わせをする。

 「ヒコゴロン」の営業時間は午前10時~午後4時。毎週水曜と第2、4土日曜、毎月1、2日は定休。

 「ことは」では平日の午前10時~午後5時に貸し出す。

 問い合わせは、ヒコゴロン(0739・33・2266)へ。