和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年09月21日(火)

樹勢衰えた桜に花 田辺市龍神村のB29慰霊碑

エリザベス・クロークさんゆかりの桜と案内看板(和歌山県田辺市龍神村殿原で)=円内はつぼみ
エリザベス・クロークさんゆかりの桜と案内看板(和歌山県田辺市龍神村殿原で)=円内はつぼみ
 和歌山県田辺市龍神村殿原にある、米軍爆撃機B29搭乗兵の慰霊碑近くで、地元住民が植えた桜が花をつけた。昨年この木に、近くにある別の木の枝が落下して損傷したため樹勢が弱っていたが、新葉を出して数輪の花をつけた。

 殿原では、太平洋戦争末期にB29が墜落して搭乗していた米兵7人が死亡。地元住民が毎年慰霊祭を営んで冥福を祈るとともに平和を祈願している。

 地元の郷土史家、古久保健さん(83)は、B29の墜落の史実を調べて後世に残すために本を出版したり語り部をしたりしている。2013年に渡米し、搭乗兵の妹のエリザベス・クロークさんと会った。

 クロークさんは14年に亡くなったが、生前に寄付がありそのお金を元に地元住民らがソメイヨシノなどの苗木を購入して植えた。その後、古久保さんが、開花の様子を撮影した写真をクロークさんに送ると喜んでくれたという。

 植樹した桜は、シカの食害もあったが5本が育っている。今年は開花が早く、植えた桜のほとんどは花が散ったが、そのうち弱っていた1本がやっと花をつけた。桜のそばには「クロークチェリー クロークさんのさくら」と書いた看板を設置して紹介している。