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熊野の魅力「難渋の先に救い」 本宮大社創建2050年講演

 世界遺産の熊野本宮大社(和歌山県田辺市本宮町)創建2050年を記念した講演会と公開討論会が21日、田辺市新屋敷町の紀南文化会館であった。講演した世界遺産熊野本宮館名誉館長で作家の荒俣宏さんは「山にいる神のもとにたどり着くには難渋するが、その先に救いがある」と熊野の魅力を語った。

 熊野本宮大社創建当時からの熊野について知ることで、熊野の本質を再認識し、広く魅力を発信してもらおうと田辺市が主催した。約250人の来場があった。

 荒俣さんは「いにしえの熊野」の演題で講演。「いにしえの神はみんな山にいる。たどり着くまでひどい目にも遭うが、その苦しい感覚が神に接する要件であり、ごあいさつ」と説明。「熊野の山は重い病が治ったり、死者がよみがえったりする。苦痛を味わう神、救済する神がいる」と述べた。

 講演後は、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司、真砂充敏市長と3人で「これまでの熊野、これからの熊野」をテーマに公開討論会をし、熊野の魅力を探った。

 過去からの熊野を振り返る中で、荒俣さんは「平安時代に貴人も熊野詣でしたことで、古道は文明の道になった。熊野は政治に巻き込まれても独立を保ってきた」と指摘。九鬼宮司は「(貴人も)引き付けた魅力は参拝だけでなく、熊野水軍があるなど時代の流れをつかんでいたからではないか」と見解を示した。

 これからの熊野について、荒俣さんは「スペインのサンティアゴ巡礼道は、ワインが飲み放題のサービスがあるなど歩くのが楽しい。周辺のまちも特徴があり人気だ」と熊野古道と比較し、「熊野では語り部が重要。小栗判官の物語は外国人にも響くはず。古道周辺のまちももっと全国に発信できる名物が必要」と助言した。


写真【公開討論で熊野の魅力を語る荒俣宏さん(左)と熊野本宮大社の九鬼家隆宮司(中央)、真砂充敏市長=21日、和歌山県田辺市新屋敷町で】

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