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熊楠ゆかりの縄巻鮨紹介 復元の料理人が講演

 和歌山県の田辺名産として南方熊楠が推奨していた「縄巻鮨(なわまきずし)」について県は12日、その由来を紹介する講演会を、田辺市高雄1丁目の市民総合センターで開いた。復元させた料理人が「田辺の食の豊かさを感じる食べ物」と紹介、試食を交えて縄巻鮨に込められた知恵や食文化を説明した。

 米の代わりにジネンジョウ(ヤマノイモ)を使ったなれずし。塩漬けしたサゴシ(サワラの幼魚)で巻いて竹の皮などで包む。さらにイグサの縄で隙間なく巻き、酢に漬けて熟成させている。手間がかかり高価なことから昭和10年代以降作られなくなったとされる。

 講演した同市下屋敷町のレストラン「グリル食菜ギャレット」の赤堀展也店主(55)は20年ほど前に客との会話でその存在を知り、縄から手作りし、当時の製法にならい復元。昨年イベントでお披露目した。

 講演会には田辺・西牟婁地方の漁協や農業士会の女性部、生活研究グループの会員約40人が参加。赤堀さんは「当時、すしとは魚をいかに保存して食べるかの方法だった」と述べ、ジネンジョウを使うすしは唯一であったことなど縄巻鮨の特徴を紹介。酢や塩について現在の普及品と比較し「イグサやハランは抗菌作用がある」などと、保存食として理にかなっている製法にも触れた。


写真【講演会後、縄巻鮨を切り分けながら作り方や当時の食の背景について語る赤堀展也さん(12日、和歌山県田辺市高雄1丁目で)】

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