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亡夫の思い出たどる旅CDに 白浜の元タクシー運転手が作詞

 和歌山県白浜町堅田の元タクシー運転手、吉本猛さん(86)が30年近く前、結婚して約1年で夫を亡くした女性を乗せ、女性と亡夫が新婚旅行で巡った紀南の地を案内した。その体験を基に2年前作詞した歌「想い出の紀州路」がコンテストで優秀賞に選ばれ、近く記念CDが発売される。吉本さんは「女性に曲が届く可能性が出てきた」と喜んでいる。

 コンテストは、「わかやま歌の力の会」(松下秀二郎会長)が2018年に初めて実施した「わかやまソングコンテスト2019」。古里を歌う楽曲の発掘を目的に昨年10月末まで作品を募った。

 同会によると楽曲部門に19作品、作詞部門に20作品の応募があった。審査をして各部門で2作品ずつ優秀作品を決定。これら4作品を収録して記念CDを制作する。

 作詞部門の作品にはプロが曲をつけ、同会が別に実施したシンガー発掘オーディションの優秀賞受賞者が歌う。吉本さんの作品は白浜町のシンガー・ソングライター古家学さんが曲をつけ、有田市の木下大知さんが歌う。

 吉本さんは17年夏に自宅を掃除していて、当時日記代わりにつけていたメモを見つけ女性のことを思い出した。

 女性は二十四、五歳で岩手県内に住み、夫は結婚して間もなく病死した。亡き夫と白浜や串本、那智勝浦を巡った時の思い出をたどる旅に出て、白浜温泉街で吉本さんのタクシーに乗った。

 吉本さんは「泣かれて困ったとメモに書いていた。今思えばもっと慰めの言葉を掛けてあげることができたろうにと悔やむ。帰り際に聞いた『一人で頑張ります』の言葉が耳に残っている」と話す。

 記念CDは歌詞カードとカラオケが付き定価千円。千枚制作し、今月20日に発売される。


写真【作詞部門優秀賞の賞状を手にする吉本猛さん(和歌山県白浜町堅田で)】

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