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太陽電池の効率向上も 光エネルギー高変換フィルム開発

 和歌山県工業技術センター(和歌山市)は8日、光を通せば、エネルギーを高く変換できる透明なプラスチックフィルムを開発したと発表した。将来的に太陽電池に貼付し、発電効率を向上させるなど、さまざまな活用が考えられるといい、センターは県内企業にフィルム製造や同製品の活用などを呼び掛けていく。

 このフィルムは洗濯用ののりなどに利用されるプラスチックの一種「ポリビニールアルコール(PVA)」に改良した2種類の色素を混ぜ、薄く引き延ばしてつくる。厚さは用途に応じ、10ミクロンから、髪の毛1本ほどの100ミクロンまで製造可能という。

 これまで、光のエネルギーを低いものから高いものにする「光アップコンバージョン」を可能にする素材は、液体や結晶しかなかった。しかし、光が空気に触れない状況を作る必要があったため、実用化レベルになかった。今回開発したフィルムにより、空気中でもこの現象を起こすことに成功し、実用化が期待できるという。

 センターによると、将来的に、さまざまな活用が想定できるという。太陽電池の発電効率向上のほか、窓ガラスに張れば、室内をより明るくする効果も望める。また、オーストラリア紙幣のようなプラスチックシートの紙幣に採用されれば、光の色が変換される特性を生かし、偽造防止加工にも役立つとしている。

 研究は2016年夏ごろから取り組み、17年秋に開発。10月に特許申請し、昨年11月に取得した。


写真【和歌山県工業技術センターが開発した「光アップコンバージョンフィルム」(8日、和歌山県庁で)】

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