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夢奪われた24年間 拉致被害の蓮池さん講演

 北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さん(新潟産業大学准教授)が13日、和歌山県上富田町朝来の上富田文化会館で講演した。拉致によって「夢と絆を奪われた」という蓮池さんは、24年間の北朝鮮での生活を赤裸々に語り、拉致問題の解決に向けて協力を呼び掛けた。

 蓮池さんは大学3年生の時の1978年、帰省していた新潟県柏崎市の海岸で、当時は交際中で後に妻になる祐木子さんとともに北朝鮮へ拉致された。顔を殴られて袋に入れられ、薬で頭がもうろうとなったまま工作船で北朝鮮まで運ばれたという。

 拉致の目的は他国へのスパイの養成で、蓮池さんは施設に入れられて思想教育を受けた。最初は日本に帰りたいと訴えたが認められず、帰国のチャンスを狙ってしばらく朝鮮語を勉強した。

 その後、蓮池さんは日本語教師として暮らしたが、87年、大韓航空機爆破のテロ事件が起きた。逮捕された実行犯の女性が日本語教育を受けていたことが発覚し、日本人の拉致が明らかになったため北朝鮮は日本語教育をストップ。蓮池さんは帰国するまで翻訳の仕事に従事した。

 2002年、日朝首脳会談で北朝鮮が日本人13人を拉致したことを認め、蓮池さんは祐木子さんとともに帰国することができた。2人の子どもを心配したが、蓮池さんは母に「私は24年間待った」と励まされ、1年半後に子どもと日本で再会した。

 拉致問題の解決については「北朝鮮が求めているのは、国交を正常化して経済協力を受けること。そのためには拉致と核、ミサイルの問題を解決する必要がある。アメリカと北朝鮮が核とミサイルの問題解決に向かい、日本だけが取り残される状況も考えられる。拉致被害者の家族の立場に立って、国民の皆さんが声を上げてほしい」と呼び掛けた。


写真【北朝鮮に拉致された24年間について語る蓮池薫さん(13日、和歌山県上富田町朝来で)】

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