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山の作家宇江さんが新作 「熊野木遣節」

 「山の作家」として知られる宇江敏勝さん(80)=和歌山県田辺市中辺路町野中=の小説集「熊野木遣(きやり)節」が新宿書房から発刊された。熊野地方のいまでは見られなくなった産業や民俗を七つの連作で描いている。

 表題作の「木遣節」は、木材を切り出して、川に浮かべて運ぶ際に労働者が歌った音頭。作品では流送の方法や川の暮らしを描いている。

 「いただきの女たち」は、炭や杉皮を頭に載せて山から里まで運んでいた女性がモデル。果無山脈の山の仕事場を舞台に、三重県から出稼ぎに来た5人の若い女性と山仕事の男との交流をつづった。頭に荷物を載せた当時の女性の写真も掲載している。

 収録は他に子捨ての習俗を題材にした「七はぎの産着」、「神隠し」、動物との不思議な関わりを描く「あなぐま」「狼(オオカミ)のはなし」、雨水だけで稲を育てる天水田で働く寡婦と義弟の物語「天水田」。

 四六判284ページ、2200円(税別)。全国の書店で販売している。


写真【新作「熊野木遣節」を手にする作家の宇江敏勝さん(和歌山県田辺市役所で)】

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