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東京都市大学が産学連携で入浴事故死者ゼロを目指す「Yu-navi」プロジェクトを始動 -- ビッグデータを用いて、安全で健康や美容によい入浴方法を提案
2018年5月16日 14時5分8秒






東京都市大学(東京都世田谷区、学長:三木千壽)人間科学部 早坂信哉教授らの研究チームは、「Yu-navi」プロジェクトを開始した。これは、入浴データの収集・解析によって、入浴事故による死者を減らすことを目的としたもの。東海大学(神奈川県平塚市、学長:山田清志)海洋学部 斉藤雅樹教授、株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)、株式会社APC(大分県大分市、代表取締役:佐藤隆己)と協働して実施する。なお、5月26日(土)に「おんせん県おおいた 世界温泉地サミット」でプロジェクトを紹介する予定。









 入浴に関連する事故死は年間1万9千人と推定されている。これは交通事故死の約3千7百人の5倍に達し、その対策(たとえば交通事故に対するシートベルトの義務化のようなもの)が喫緊の課題となっている。

 事故の原因は、過度に高温な湯や長時間の入浴など、不適切な入浴であると考えられているが、入浴に関連するこれまでの研究は実験室における少人数の被験者によるものが主で、同分野における研究の進展は速いとは言えない。



 そうした中、東京都市大学早坂信哉教授らの研究チームは、入浴データを収集・解析し、入浴事故による死者を激減させることを目的に「Yu-navi」プロジェクトを開始。ウェアラブル端末などで、適切な入浴方法を個々人に合わせてナビゲートするシステム(入浴の''シートベルト'')を構築することを目指す。

 また、2020年に向け、日本の重要な観光・健康資源である温泉の効能効果を国内外へ発信する必要があると考え、同プロジェクトでは、日本の入浴文化と温泉の効能効果をデータをもとに国内外へ発信することも目的としている。



 なお、この研究は国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業に採択され、同事業の助成を受けて行われている。

採択課題:世界一の安全・安心社会の実現―ヒューメインなサービスインダストリーの創出

テーマ:自発・自律型エビデンスに基づくBathing Navigationの実現



■本研究の方法(図参照)

【データの収集】

・市民参加型の研究として、SNSなどで発信される入浴に関するコメントを自動化したテキストマイニングなどの手法で大量に収集・分析し、入浴方法と体調の変化の関連を解析する。

・入浴データ収集デバイスおよびウェアラブル端末で、入浴時の湯温や浴室温度などの温浴環境データと血圧や脈拍などのバイタルデータを取得し、クラウドでデータの蓄積・解析を行う。

・データ収集は温泉も含めたすべての入浴を対象にする。



【入浴のナビゲーション】

・得られたデータから適切な入浴方法をプログラムし、個々人に合わせた適切な入浴方法をウェアラブル端末がナビゲートするシステムを構築し、不適切な入浴による入浴事故を防ぐ。

・事故を防ぐだけでなく、目的に合わせて、健康や美容に良い入浴方法や個々人に適切な温泉をウェアラブル端末が提案する。



■本研究へのこれまでの経過

【SNS上のコメントに対し、テキスト情報の収集解析準備】

・主観的な感覚を迅速に多数集めて数値化する可能性を探るため、「おんせん県」として有名な大分県内で、2018年1月~4月にかけて県庁・市役所職員へ、温泉・入浴後の体調の変化に関する自由なコメントを回答してもらう大規模な調査を実施(回答者計3,909人:大分県庁 1,182人、大分市役所 2,187人、別府市役所 396人、竹田市役所 144人)

・大分県庁分のデータを解析したところ、55.6%の人が月1回以上温泉入浴すると回答し、4.0%の人は毎日温泉に入浴していた。また、温泉で11分以上の「長風呂」で入浴する人は、入浴後の変化として「眠れる」と回答する(19.0%)傾向があった。「ぬるい」湯よりも、「熱い」または「ちょうどよい」湯温で「眠れる」と回答する(18.7%)傾向があった。その他の変化として温泉で「肌がつるつるになる」(30代女性)、「肌がすべすべになる」(20代女性)など、肌への好変化を回答した人が17.6%だった。

・基礎研究では、ぬるめの湯が交感神経の活動を抑え、よい睡眠につながると言われているが、当研究ではむしろ高めの湯温の方が「眠れる」とコメントした人が多い傾向になった。大量のコメントを収集することにより、実験室での既知の結果とは異なる温泉利用者の主観を集めることができる可能性が示唆された(現時点で高温浴、長風呂を推奨するものではない)。



【温浴データ収集デバイスの試作】

・温浴データ収集デバイスのプロトタイプとして、玩具の様な親しみやすい形をした「fuuron」(フーロン)を作成した。fuuronから湯温データをBluetoothでスマートフォンに送信し、血圧などのバイタルデータとリンクさせ、入浴と体調に関する基礎データの大量収集を目指す。

 ※fuuronデモンストレーション動画:https://youtu.be/GWGszpcU6n8

・湯温以外に、温泉利用を念頭に入れたpH値やGPSデータなど、温泉情報を自動取得できるデバイスも開発中。







■今後の予定

・#(ハッシュタグ)キャンペーンなどを実施し、市民参加による科学研究(シチズンサイエンス)として全国から多くの温泉・入浴のつぶやきを収集する。

・入浴データ収集デバイス、ウェアラブル端末で入浴関連データの収集開始。

・入浴ナビゲーションプロトコルの作成。

・プロジェクト構想は5月25日(金)~27日(日)に大分県別府市で開催される「おんせん県おおいた 世界温泉地サミット」で発表。発表日は5月26日(土)。



※Yu-naviは商標登録出願中



(参考)

人間科学部早坂信哉教授ら研究チームが、Twitterの発信情報を基に、温泉が心身に与える影響について調査を開始 -- 東京都市大学(2018.03.14)

https://www.u-presscenter.jp/2018/03/post-39042.html




東京都市大学と東海大学がおんせん県職員3,911名を対象とした温泉大規模調査を実施 -- 11分以上の長風呂で「眠れる」と回答する傾向 「ぬるい湯」より「熱い湯」の方が「眠れる」可能性も?(2018.04.03)

https://www.u-presscenter.jp/2018/04/post-39173.html






▼本件に関する問い合わせ先

企画・広報室

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【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/