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超高齢化社会に 健康長寿に総力を

 三輪バイクに乗ってさっそうと酒を配達する84歳のおじいさん。イチゴのパック詰めを手伝う95歳のおじいさん。伝統の踊りを教える90歳のおばあさん。

 本紙の連載「元気だ!!万歳!!」に登場する高齢者だけではない。80代、90代でも現役で地域に貢献している高齢者は珍しくない。

 県内の人口は20年以上にわたって減り続けているが、65歳以上の人口は増え続け、すでに県人口の約3割を占める。

 その傾向は加速する。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2015年に30・9%だった県内の高齢化率は、45年に39・8%になる。75歳以上(後期高齢者)の割合も15年の15・6%から45年には23・8%に上がる。すさみ町(44・3%)や古座川町(44・7%)など、地域によっては人口の4割を超える町もある。

 高齢者が増えると、要介護者も増える。県内の高齢者に占める要介護・要支援認定率は16年度末現在22・2%。全国平均の18・0%を大きく上回り、3年連続して全国一となっている。

 なぜ、和歌山の認定率が高いのか。県の担当課によると(1)年齢層の高い高齢者の割合が多い(2)1人暮らしの高齢者の割合が高い―のが理由という。実際、県内高齢者に占める後期高齢者の割合は51・1%で全国平均(48・9%)を上回る。高齢者世帯に占める1人暮らしの割合も全国平均(27・1%)を上回り、30・9%だ。

 日本は超高齢化社会に向かっている。団塊の世代が全員75歳以上となる25年には、医療費・介護費の急増が見込まれ、社会保障費の抑制が急務になっている。

 国は病床数を削減し、利用者の負担増も進めている。8月からは高所得の高齢者を対象に、介護保険サービス利用時の自己負担率を2割から3割に引き上げた。

 こうなると、個々の健康管理がより大切になる。単に寿命を伸ばすのではなく、健康を保ち、自立した生活をどのように送るのか。

 だが、この面でも和歌山には不安材料がある。歩き方が足りないのである。厚生労働省の国民健康栄養調査によると、成人の1日歩数を都道府県別にみると、和歌山は男性が43位、女性は39位だ。

 私たちの日常を振り返ると、車の利用が主流で、歩く時間は極端に少ない。まずは、これを改善することから始めよう。

 高齢者は健康を損なうと、即座に厳しい現実に直面する。1人暮らしならなおさらだ。看病、介護をしてくれる家族もなく孤立しがちになる。それを防ぐためには、社会とのつながりを閉ざさないようにしなければならない。

 「人生100年時代」をどう生きるか。思いつくのは、健康な高齢者が長く働ける職場や趣味に打ち込める環境をつくること。同時に、介護予防や健康づくりの呼び掛けも広げたい。まずは行政、職場、地域が協力し、互いに知恵を絞って取り組みたい。

 高齢者を生かすための新しい視点が求められる。(N)

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