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熱中症と体調管理 安全最優先の対応を

 猛暑の夏。各地で熱中症による死者が相次いでいる。農作業や中学・高校生のスポーツ大会に限らず、屋内で過ごしている高齢者にも暑さ対策が求められる。

 24、25日に営まれた「田辺祭」でも厳しい日差しが照り付けた。「笠鉾(かさほこ)」などを引いて旧市街地を練り歩いた氏子らの疲労は激しく、取材した記者も全身から汗が噴き出した。気象庁が「命の危険がある暑さ」と注意を呼び掛けたのも納得できる暑さだった。

 総務省消防庁の速報値では、全国では22日までの1週間に熱中症で65人が死亡した。2008年に集計を始めて以降、1週間当たりでは最多。前週(9〜15日)の12人より大幅に増えた。救急搬送も2万2647人と過去最多で、65歳以上の高齢者が全体の46・5%(1万525人)を占めた。

 田辺市消防本部管内では今季、熱中症の疑いにより救急搬送した人は7月27日までに43人。5、6月中は9人だったが、7月に入って急増、30人以上が搬送された。程度は軽かったが高齢者は22人。全体の半数を占めた。室内でも熱中症になる場合があり、和歌山市では24日、70代男性が屋内で倒れているのが見つかり、その後熱中症による死亡が確認された。

 この猛暑にどう備えるか。田辺市消防本部の指導救命士によると、老化に伴って発汗など体温を調節する能力が低下し、温度や湿度を感じる機能も衰える。喉の渇きも感じにくくなるため、熱中症になる危険が高まるという。喉が渇いていなくてもこまめに水分を取る、空調機などを利用して適切な室温に保つことが大切という。

 子どもも体温を調節する機能が未発達なため、熱中症になりやすい。そばにいる大人がしっかりと様子を見ながら、水分や塩分を補給させたり、休憩を取らせたりすることが肝要だ。

 愛知県豊田市では小学1年生の男児が熱中症で亡くなった。この事故を受けて、和歌山県教育委員会は県立学校や市町村教委に児童生徒の熱中症を防ぐための注意事項を文書で通知した。田辺市教委も各学校に通知して現場の教職員に注意を促している。市教委学校教育課は「児童生徒の健康や安全を最優先にしていきたい」という。想像を絶する暑さに備え、臨機応変の対応を期待する。

 屋外のスポーツ活動にも柔軟な対応が求められる。

 今夏の高校野球京都大会では、午後の暑い時間帯を避け、夜間の試合に切り替える対応をした。東京都では、気温や水温が上昇し過ぎたためプールの使用を中止した小学校もあった。紀南でも部活動に気を配り、練習の開始時間を早めるなどした学校もある。こうした工夫、柔軟な対応によって、命を守っていきたい。

 熱中症予防の基本は十分な睡眠による体調管理と水分や塩分の補給。梅干しに含まれるクエン酸にも疲労回復効果がある。活動時に携行する水筒に一粒の梅干しを入れるだけでもいい。細心の注意で猛暑を乗り切りたい。 (Y)


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