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大阪府北部地震 地震への備え、再点検を

 大阪府北部地震で多くの家屋が破壊され、ブロック塀の倒壊や家具の下敷きなどによる死傷者が出た。紀伊半島では、今後30年以内にマグニチュード8以上の地震が発生する確率は70〜80%とされる。備えはできているだろうか。

 まず確認したいのが住宅の耐震化である。津波対策に気を取られがちだが、住宅が倒壊すれば避難することさえできない。

 紀南の市町村は2017年度から、木造住宅の耐震改修補助の対象を「旧耐震基準」の1981年5月までから、新たに2000年5月まで拡充した。16年4月の熊本地震で「新耐震」でも被害が出たからだ。しかし、田辺市の17年度の耐震改修補助は33件。本年度から耐震設計と工事を一体で申請できるよう助成制度を簡素化したが、大きな伸びはないという。

 市建築課は「まず耐震診断を受けてほしい。しかし、悪い結果を直視したがらない人が多く、熊本地震も大阪府北部地震も耐震診断が進むきっかけにはなっていない」と嘆く。市は戸別訪問で、耐震化を呼び掛けている。

 家具の固定にも懸念がある。特に自宅から脱出する際の動線上に物が倒れてこないようにする必要がある。ガラスが割れて飛び散らないように飛散防止フィルムを貼るのも不可欠だ。

 市は高齢者向けに家具転倒防止金具の取り付けも支援している。09年度から始め、これまでの利用は255件。市防災まちづくり課は「家具固定はある程度は進んだと思うが、一般家庭の実態は把握できていない。身近な防災対策としてまず取り組んでほしい」と強調する。

 建物の耐震だけではない。大阪府北部地震では、登校途中の高槻市の9歳の女児と、大阪市の80歳のお年寄りが、崩れてきたブロック塀の下敷きになって亡くなった。街なかに潜むこうした危険にも目を向ける必要がある。

 公共施設のブロック塀は行政が点検を始めているが、民家などにも広く設置されており、とてもすべては把握できない。

 田辺市は14年度から撤去費用の5割(上限10万円)を補助しているが、17年度までの交付実績は17件。今回の地震以降、問い合わせは増えているが、申請までは進まない。市はブロック塀の点検基準と補助事業の案内を記したチラシを全戸配布し、耐震対策を呼び掛けている。

 串本町では14年度に補助金額を5割から9割(上限30万円)まで引き上げた。すると04年度から10年間で24件だった交付が14年度以降は4年間で72件と急増した。安全対策を進めるには思い切った制度改正が必要ということだろう。

 家庭では避難ルートの確認、離れ離れで被災した際の連絡方法、食料や衛生用品などの備蓄。企業は事業継続計画(BCP)の策定も急務である。

 地震は、どこで起きても不思議はない。防災は「わがこと」である。浮かび上がった問題点を再点検し、備えを強化しよう。 (K)


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