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上富田町議決まる 議会活動盛り上げよう

 任期満了に伴う4月29日の上富田町議選で、新しい町議の顔ぶれが決まった。現職6人、新顔6人が当選し、現職2人が涙をのんだ。

 トップ当選は、1121票を獲得した公明党新顔の中井照恵氏(50)。次いで893票を獲得した無所属新顔の正垣耕平氏(35)。当選者の上位5人中、4人が新顔だった。

 しかし、投票率は63・61%で過去最低を更新。各候補は子育て支援、福祉や教育の充実などを訴えたが、選挙戦はいまひとつ盛り上がりに欠けた。

 町では宅地造成が進み、周辺市町からの転入などで紀南で唯一、人口が増え続けている。それに伴って町民の要望も多様化しており、新町議12人にはさまざまな声が届いている。それをどのように取捨選択し、町政に届け、どう実現していくか。新しい議員にかかる期待は大きい。

 町では1月に町長選があり、41年ぶりの選挙戦で町議から転身した奥田誠氏が当選した。前町長の小出隆道氏は5期20年間で企業誘致やスポーツ振興、教育の充実などに取り組み、現在の町の地盤を固めた。一方、平成の大合併では単独町政を選択、合併特例債や過疎債が使えない中で厳しい財政運営を強いられてきた。

 そうした背景もあって、町内の全小中学校の学校給食は県内で最も遅れ、この4月に始まったばかり。「中学校卒業までの医療費無料化」については県内で唯一、実施されていない。

 そうした状況にどう風穴を開けるか。従来にも増して行政の無駄をチェックし、先送りしてきた課題に取り組まなければならない。

 町議会には、町の予算が正しく使われているかを監視する役割がある。条例の制定や改正、予算、決算、大きな工事の契約などを議決する機関でもある。

 もちろん、若い世代や町外から新しく転入して来た人たちに町政を身近に感じ、まちづくりの担い手になってもらうための対策も必要だ。

 しかし、上富田町議会ではこの4年間、町が提案した議案を否決したこともないし予算を修正したこともない。議員の提案で制定した条例もない。計16回の町議会定例会で町議が一般質問をした数を調べてみると、質問回数ゼロが2人、1回だけが2人。住民の声を町に直接届け、町の課題を住民に明らかにする貴重な機会であるにもかかわらず、これではあまりに寂しい。

 奥田町長が就任して初の定例会となった3月議会では、一般質問で子どもの医療費問題が取り上げられ、傍聴席は満席になった。議場には緊張感が漂い、町議と町長が慎重にやりとりしていた。

 議会が機能すれば、町当局に緊張感が生まれ、行政にスピード感が出る。与党、野党を固定化せず、政策によって意見を戦わせば、議会の質も高まるのではないか。町長が新しくなり、議員も改選されたこの機会に、議会の活性化を期待したい。 (H)


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