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白浜空港50周年 地域の宝を生かすために

 南紀白浜空港が1日、開港50周年を迎えた。紀南と都市部を結ぶ県内唯一の空の玄関口であり、地域の発展に欠かせない存在としてますます価値を高めている。

 1日にあった記念式典では、仁坂吉伸知事が「小さな空港の運営は大変だが、空港があるからこそ頑張っていける」と述べ、50周年を機により役立つ空港を目指す意気込みを示した。

 この空港が開港したのは1968年。96年3月からは現在地に新空港が完成し、運用が始まった。開業当時から見ると、社会情勢は激変したが、地域の振興に果たす役割は年々重くなっている。

 とりわけ観光資源が豊富なこの地域に空港が存在することは、強みであり続けている。白浜町の井澗誠町長は「空港の存在自体が大きな財産になっている」という。首都圏から観光客を受け入れることができるし、近年、IT企業が多く進出しているのも、空港の存在抜きには考えられない。

 今後考えなければならないのは、より利便性を向上させるためにどうするか、地元の人たちの利用促進にどんな手立てを設けるかという点だ。

 現在、定期便は日本航空が東京(羽田)との間で1日3往復しており、利用者は年間9万1千〜12万7千人。正確な統計はないが、東京からの往来者が全体の7割程度を占め、地元客の利用は少ないという。

 その理由の一つが航空運賃。鉄道や長距離バスに比べると相当割高になるため、利用したくてもできない人が多いのではないか。県に聞くと、各種割引制度があり、他路線と比較しても高くはないというが、もう少し知恵を絞ってもよいのではないか。

 県や周辺市町の協力も欠かせない。より宣伝に力を入れるのも一手だ。飛行機に乗る人の視点に立った取り組みや「使ってみたい」と思わせる企画を求めたい。

 同時に、空港そのものの魅力を高めることも大切だ。せっかくの空港であり、飛行機に乗る人以外が訪れても大いに楽しめる場所を目指すべきだ。

 その意味では、県が19年4月の開始を目指して手続きを進めている「民営化」に注目したい。年間約3億円の赤字が出ている白浜空港の運営に民間の経営感覚を取り入れ、就航便を増やすと同時にターミナルビルの活用にもつなげようという構想である。

 全国の大きな空港では、ビルのテナント料など非航空系事業で利益を生んでいる。規模の違う白浜空港に同じことを求めるのは酷かもしれないが、集客力を高めて地域の拠点となる施設にする発想と努力の必要性は同じである。

 白浜空港は、その存在が地域の財産である。大災害の時に果たすべき役割も年々増加している。

 50周年という節目を新たな跳躍台としてその価値を高め、地域の活性化につなげていきたい。そのためには、新たに空港運営に参加する企業の努力はもちろん、県や地域の協力が欠かせない。 (N)


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