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被災後の仮設住宅 木造建築も導入へ

 県は大規模地震などの被災地に建てる仮設住宅について、プレハブだけでなく、市町村の要望に応じて、木造住宅も供給できる態勢づくりをしていく。県土の約8割が森林で「木の国・和歌山」と呼ばれる森林王国に光を当てる取り組みとして期待したい。

 東日本大震災や熊本地震の被災地で、一部の仮設住宅に木造を採用し、利用者の評判が良かったことから導入を考えた。木の温かみや柔らかさが安らぎを与え、香りの癒やし効果も含めて、精神を和らげる効果が期待されるという。

 県の想定では東海・東南海・南海地震が発生したとき、県内では約3万2500戸の仮設住宅が必要になる。まずは、すぐに供給可能な公営住宅や民間の賃貸住宅の空き室を活用するが、それでも賄えない1万戸以上については、市町村の要望を聞きながら、新たに設置することになる。

 仮説住宅は、被災後いち早く被災者に必要戸数を提供することが重要であり、プレハブ型についてはすでにその仕組みができている。しかし木造については、豊富な森林資源があっても、それを一気に集める仕組みは整っていない。大規模災害に見舞われた時にどのようにして人材を集めるかという課題もある。

 そこで県は、建設関係や木材生産関係の団体でつくる「県木造住宅生産体制強化推進協議会」を中心とし、全国から資材調達や施工業者手配ができる「日本木造住宅産業協会」「全国木造建設事業協会」も参加して、協議会をつくるよう働き掛けている。県は、この協議会に被災後でも迅速に対応できる仕組みを検討してもらい、協定を結ぶ予定という。

 費用は非木造に比べ、2割ほど高くなるというが、仁坂吉伸知事は先日の県議会で「値段はちょっとぐらいの差。木造の方が住み心地がいいに決まっている」と推進していく考えを示した。

 大規模な地震や津波に見舞われれば、被災者は身体的、精神的にダメージを受ける。慣れない仮設住宅での生活となると、さらに大きな負担がある。暮らしにくくても、例えば住宅ローンが組めない高齢者などは、なかなか一般住宅に移れず、意に反して仮設住宅での生活が長期化してしまう可能性もある。悪くすれば健康を損ない、関連死に至ってしまうことも考えられる。

 災害への備えは防災や減災が第一であり、まず命が助かることが最優先になる。同時に生き残った人にとっては、仮設住宅の在り方を含めて、いかに精神的な負担を減らしながら生活していくかも考えないといけない。それは、後の地域の復旧復興にも関わる。

 東日本大震災から7年、熊本地震からもまもなく2年。南海トラフの地震もまたいつ発生してもおかしくないといわれている。

 こういう時期だからこそ大災害に備え、被災した後の安全快適な生活を準備する必要がある。そのためにも木造仮設住宅問題を具体的に考えていきたい。(K)

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