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小中学生学力テスト 読書習慣で可能性広げよう

 本年度の全国学力テストで、県の小中学生の成績が向上し、ほぼ全国平均近くなった。テストの対象は小学6年生と中学3年生。県教委は「これまでの方向性は間違っていなかった」としている。学校と協力して問題集や評価テストなどに取り組んできた成果が出たということだろう。

 しかし、ことはそれほど簡単ではない。小中ともに国語の応用問題は全国レベルに到達せず、同時に実施された子どもたちの生活環境調査結果にも、問題点が浮かび上がっているからだ。

 県勢は長年、国語が課題になっていた。学力テストが始まった2007年度以降、昨年度まで国語の全科目で全国平均を下回り続けてきた。昨年度は小、中のそれぞれ1科目が全国最下位。あとの2科目も40位以下を低迷していた。

 国語力の弱さに共通する要因があるのか。生活環境調査の結果と照合してみると、それをうかがわせる傾向が見えた。読書への関心が、特に中学3年生で極端に低かったのである。

 1日当たり(月〜金曜)の読書量を聞くと、43・3%が「全くしない」と答えた。これは全国平均を7・7ポイントも上回っている。読書は好きかの問いでも、否定的な回答が37・1%。全国平均より7・2ポイント高い。新聞を読むか、との問いでは「ほとんど、または全く読まない」が69・0%だった。

 図書館や図書室にどのくらい行くかとの問いには、63・3%が「ほとんど、または全く行かない」と回答。「年に数回程度」を合わせると8割以上になった。「国語の勉強は好きか」「原稿用紙2、3枚の感想文や説明文を書くのは難しいか」の質問への回答でも、全国と明確な差があった。

 これらの回答結果と学力テストとの正答率は、国語だけでなく数学でもほぼ相関関係にあった。読解力や文章力、論理的思考はどの教科にも必要であり、本や新聞を読む習慣があれば、その力が養えるということ。逆にいえば、そうした習慣がないことがテストの成績にも直結しているのだろう。

 生活環境、とくに家庭での過ごし方にも課題がある。今回の調査でも、休日に勉強を全くしない子どもの割合や予習、復習をしない子どもの割合が全国より高く、逆にゲームやメール、ネットに費やす時間が長いことが分かった。

 さらにもう一つ、見過ごしにできない問題がある。国の別の調査では、1年間に1回以上読書した県民の割合は29・5%。全国の最下位だった。大人の読書習慣のなさが子どもに影響しているといっても過言ではなかろう。

 こうしたデータと、学力テストとの関係を直視しなければならない。まずは家族で読書の習慣を付け、それを子どもの読書運動につなげたい。ゲームやネットに費やす時間を本や新聞を手に取り、読む時間に充てるのである。

 学力が付けば生き方の選択肢や可能性が広がる。子どもの将来のため、真の学力が育つ環境をつくるのは大人の役割である。 (K)


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