AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

白浜温泉街の振興 「稼ぐ意識」を前面に

 年間300万人を超す観光客を受け入れる関西有数の観光地・白浜温泉街があり「観光立町」をうたう白浜町で、いくつかの新たな動きが出てきた。

 一つは、2018年度から動き始める予定の法人組織。町と白浜観光協会が出資して立ち上げ、地域づくりのかじ取り役を担う。より効果的な宣伝や観光客の受け入れ態勢の充実につなげる目的で、今年は組織づくりや観光に関するデータの収集、分析を手掛ける。

 観光庁によると、同様に法人化を目指す地域(候補法人)は全国に約150カ所。それぞれが自ら稼ぐという意識で新たな観光施策に取り組んでいるという。

 白浜町では、全産業の観光依存度が4割を超える。観光産業が伸びれば住民にも恩恵があり、それが衰退すれば、住民の暮らしにも響くということだ。行政機関や関係団体は、この事実を直視し、観光立町の実質を豊かにする取り組みを進めてもらいたい。

 一方で、温泉街でのイベント開催や宣伝活動の中核をなす白浜観光協会の16年度決算で、歳出が歳入を1千万円余り超過したことが明らかになった。事務所の移転費用がかさんだこと、見込んでいた補助金が受けられなかったことなどが影響したという。

 決算は総会で承認されたが、出席者からは「ずさんだったのではないか」という意見も出た。当然の指摘だろう。協会の収入には、町からの多額の補助金も含まれている。これまで以上に、収支の規律を厳格にしてもらいたい。

 二つ目は、白浜町の「経済三団体」のうち、白浜温泉旅館協同組合と白浜観光協会のトップに、宿泊施設「むさし」代表の沼田久博氏(63)が就いたこと。双方のトップを同じ人に託すのは、それだけ関係者の注目が集まっているということ。その期待に応える施策を進めてもらいたい。

 本紙の取材に、沼田氏は外国人観光客の増加を念頭に「観光産業にはいま、光が当たっている。チャンスであり、お客さまにより喜んでもらえるような施策に取り組みたい」と話した。

 前回、組合の理事長を務めていた時には、観光客の思い出づくりにと企画した「メッセージ花火」、複数の温泉が楽しめる「湯めぐり札」制度、シャトルバスの運行を始めた。その意味ではアイデアマンであり、今後の取り組みにも期待が持てる。

 まずは、観光協会の収入を増やし、収支を健全化させることだ。そのためには、新たな収入源の確保が不可欠である。これまでは白良浜でのビーチパラソルの貸出料や駐車場の売り上げが主な収入だったが、「財源」は他にもあった方がいい。

 例えば、無料イベントの一部を有料化するのも一つのアイデアではないか。有料化すれば、顧客の満足度が問われる。それが内容の伴うイベントにつながり、結果として観光客の満足度が上がり、リピーターが増える。そういう視点で議論を深めてほしい。 (N)


更新)