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子どもの体力と学力 学校プラス家庭と地域で

 小学5年男女と中学2年男女を対象にした文部科学省の「全国体力テスト」で、和歌山県の成績が向上している。体力点は毎年のように上がり、下位に低迷していた全国順位も上昇中だ。

 2008年度に調査を開始した当初、中学校は男女とも全国平均より3点以上も低く、順位も最下位に近かった。とりわけ男子は3年前まで40位台だった。しかし、本年度は21位と向上。女子も14年度の39位から15年度には18位に上昇した。本年度は20位だが、点数は向上しており、全国平均との差も広げている。

 小学生も、当初は男女ともに30位台だったが、本年度は男子が14位、女子は12位。女子の点数は全国平均を1点以上、上回った。

 改善の理由について、県教委は「体力アッププラン」が一つの要因という。学校や市町村教委が毎年度、体力テストの結果を参考に課題を分析し、目標や具体的な取り組みを掲げ、実行する取り組みである。

 運動の習慣がない子や苦手な子にも親しんでもらう取り組みも改善につながった可能性がある。3年前にダンスを制作し、学校の授業に取り入れたこと、指定種目に挑戦し、楽しみながらインターネット上で記録を競う「チャレンジランキング」が定着したこと、さらには昨秋の「わかやま国体」の影響も考えられるそうだ。

 子どもの成長には、心身の健全な発達が欠かせない。健康な体づくりは、ストレス解消にも役立つ。スポーツに親しみ、楽しむことを覚えれば、人生が豊かになる。今回の成績向上に自信を持ち、多くの子どもたちが運動好きになるような指導に取り組んでほしい。

 一方で、学力については体力ほどには改善の兆しが見えない。小学6年と中学3年を対象にした本年度の「全国学力テスト」では、小中計8教科中5教科が全国40位台、うち2教科は最下位だった。

 学校での教育、家庭での指導など、要因は複雑に絡み合っているが、明確なことが一つある。生活習慣上の問題である。文科省の調査で、県内の子どもがゲームやネット遊びに費やす時間が全国平均を大きく上回ることが判明している。これを少しでも運動や学習の時間に回したい。その意味では、家庭に求められる役割がいま以上に重要になってくる。

 体力と学力は、互いに関係があるといわれる。実際、毎年学力テストで全国のトップクラスに位置する福井県や秋田県は、体力テストでも上位に位置している。体力を育成する取り組みが成功すれば、学力向上にも生かせる可能性がある。その取り組みをどう進めるか。体力が改善傾向にあるのなら、その考え方を学習指導にも生かしたい。

 県は来年度、家庭や地域が学校運営に参画できる「コミュニティスクール」制度を全小中学校に整備する。これをてこにすればどうか。学校任せではでなく、家庭や地域を巻き込んだ取り組みで子どもの心身を鍛えたい。(K)



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