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「クマノザクラの便り」

 紀州石神田辺梅林に多くの観梅客が訪れるこの時季に、古座川町からは早くもクマノザクラの便りが届いた。本紙・熊野灘の紙面に、タイプ(基準)木に1輪だけ咲いた花の写真が掲載された。昨春は3月中旬が満開だった▼クマノザクラは昨年7月、野生種のサクラとしては100年ぶりに新種に認定された。古座川流域や熊野川流域など紀伊半島南部に広く分布し、開花時期が早いのが特徴。場所によっては2月下旬から咲き始める。花は淡いピンク色で、木全体の姿が半円形に整っている。ソメイヨシノやヤマザクラ、カスミザクラはこの時季に咲いていないので区別しやすい▼タイプ木は、古座川町池野山の県道沿いにある。保全しやすいことを条件に選んだので名木ではないが、「世界に一本の木を大切にしよう」と高池小学校の児童が案内看板を手作りした▼クマノザクラを町の木に指定した古座川町は、ホームページにタイプ木の開花状況とイラストマップを掲載している。粋な計らいに、わくわくしながらマップを印刷した。お薦めの観賞場所は7カ所。車を近くに止めて見られそうな場所があれば、1時間歩くような場所もある。春のハイキングを兼ねて訪ねるのもいいだろう▼新種認定に先立つ昨春、満開のタイプ木など古座川流域のクマノザクラを見て回り、人の手で生み出されたソメイヨシノとは違うりりしい姿に引かれた。今春の開花が待ち遠しい。(長)


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