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「テストの成績と人事評価」

 大阪市教委が市立小中学校の校長の人事評価に、学力テストの結果を反映する制度をスタートさせる。校長の賞与や昇給額にも影響するという大胆な試みだ▼同市は文部科学省が実施している全国学力調査の成績が振るわない。政令指定市に限ると、平均正答率は最下位だ。これに危機感を持った吉村洋文市長が市独自の学力調査の結果を重視して教員の評価に反映させたい、と表明している▼これに保護者や教員が反発。「点数を上げるための教育にこだわると、教育がおかしくなる」「学力は家庭の経済力や生活環境とも密接な関係があり、学校教育だけの問題ではない」「メリットとデメリットの検証が不可欠。市のやり方は乱暴」などの声が上がった▼そこで、評価の対象を校長だけにして19年度からスタート、20年度以降、賞与や昇給の資料に使うことにしたという▼子どもの学力を保障するのは、学校の役割だ。同時に仲間と協調し、互いに競い合い、人格を高め合っていく環境を整える役割も持っている。「この世で生きていくために必要なものは、すべて小学校の校庭にある」といわれるように、成長期の子どもらが互いに鍛え合う環境は何よりも大切だ▼にもかかわらず、学力だけに光を当てるとどうなるか。江戸時代の寺子屋から始まり、先人が営々と積み重ねてきた子どもの教育環境を学力一辺倒にすることの弊害をもっと慎重に考えるべきではないか。(石)


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