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「男と女の垣根」

 中学、高校と私立の男子校で学んだせいか、そのころは同じ年頃の女性と話した記憶がほとんどない▼たまたま高校2年の秋、部活動の一環で近くの共学校の新聞部を訪問。同じ新聞部に所属していた小学校の同級生と顔を合わせてコーヒーの接待を受けたが、恥ずかしくてほとんど話せなかったことを覚えている。半世紀以上も前の話である▼気軽に同年代の女性と話せるようになったのは、大学に入ってアメリカのハードボイルドを愛読するようになってからだ。R・チャンドラーの「プレイバック」にある「男はしっかりしていなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」といったせりふが身近になり、タフな男と粋なヒロインが互いに敬意を表し、対等に振る舞っていることを知って、ようやく垣根が低くなった気がした▼29日付本紙社会面の「女性のための心理学レッスン」の記事を読んで、思わずそんな古いことを思い出した▼そこには男は仕事、女は家庭という暗黙の役割分担や男らしさ、女らしさという古い価値観が今もあり、それに縛られ、生きづらさを抱える人たちがいる。それが女性の活躍を疎外しているという現状を描き、それを突破するためにも「自分の内にある固定観念を少しずつ壊していこう」という女性記者の解説があった▼男女の垣根を越えていまこそ求められる視点であり、考えさせられることの多い記事だった。(石)


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