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「亥年」

 今年の干支(えと)は亥(い)。日本ではイノシシを表すが、中国、韓国、ベトナムではブタを指す▼『西遊記』では、三蔵法師を守ってその弟子、孫悟空、猪(ちょ)八戒、沙悟浄が活躍するが、この猪八戒はブタのこと。中国文学史家、武田雅哉さんの『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい』(岩波書店)によると、近代中国の猪八戒は巨大なおっぱいを持つ。雄だから乳房ではなく、相撲取りのような体形からみてメタボの付属品らしい▼三蔵法師も小太りに描かれている。三蔵を襲う妖怪たちにとって、法師は食欲をそそる存在でなければならないからだ。目的は「食うか結婚するか」のどちらか。法師の体は今流にいえばアンチエイジング、すなわち不老長寿の特効薬的存在だ、という武田氏の解釈は面白い▼中国料理にはブタが不可欠。それだけにブタに関係する歴史上の話は多い。500年前の明の武宗皇帝は亥年生まれだったため、人民がブタ肉を食うのが許せず、ブタの飼育、食用を厳禁して大混乱になった▼今も似たような話がある。米ディズニーの人気キャラクター「くまのプーさん」の映画を中国が全面禁止にしたという。プーの体形が習近平国家主席にそっくりだというのが理由らしい▼「西遊記を生んだ文明大国の中国トップが、ブタやらクマやらの動物との関連、類似を気にするというのはほほ笑ましい」と、武田氏は皮肉っている。(倫)


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