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「中高生のことば」

 6日付朝日新聞に載った「私の折々のことばコンテスト」特集に目がくぎ付けになった。中学、高校生約2万7千人の作品から選ばれただけあって、思わず膝を打つ言葉が多かった▼最優秀賞は「あんさんが思っとるほど足下には何もなか、やけん前でも見て歩きんさい」。鹿児島県の高校2年、塚原常暉君が塾のクラス分け試験で降格。下を向いてバスを待っていたとき、バス停のおばさんからこう声を掛けられた。この言葉で気持ちが軽くなったという▼「頑張った匂いがする」という言葉を紹介したのは兵庫県川西市の中学1年、佐藤彩羽さん。小学生の頃、学校から帰ると母がこう言ってギュッとしてくれた。「最近言わないね」といったら、「今は毎日楽しそうだから」と言ってくれた。少し寂しいが、成長を認めてくれてうれしかった、とある▼岐阜県の高校3年、保ひなたさんの「わけわけ」という言葉も胸に響いた。親から何でも年齢の近い妹と「わけわけしてね」と言われて育ったが、ある時、お菓子を一人で食べた。後に残ったのはむなしさと妹の顔。わけわけは物だけでなく、優しい心や幸せだった、と説明している▼こうした言葉を選んだ中高生の胸の内を想像するだけで、思わず心が和んでくる。彼、彼女らの日々の暮らしぶりまでが浮かんでくる▼言葉には魂がある。それを口にするだけで勇気が出る。心も和む。そんな言葉の力を大切にしたい。(石)


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