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「情報の共有」

 串本町と那智勝浦町の境界にある熊野古道大辺路の世界遺産、清水峠を訪れた。近くの山林でウバメガシを切り出した跡があると、古道の保全に協力している民間団体から聞いたからだ▼現場は両町の町境付近。古道沿いの木立の向こう側に、伐採されて部分的に開けた所があった。団体のメンバーが1カ月ほど前に歩いた時は気付かなかったが、搬出時に刈り払われた木が枯れて目立つようになったそうだ▼両町の教育委員会の担当職員も団体の指摘で伐採を知って現場を確認。その結果、ぎりぎりでバッファゾーン(緩衝地帯)に入っていないことが分かった。それはそれでよかったのだが、世界遺産の近くで伐採計画があったことを保全に関わる担当職員が知らなかったことが気になった▼バッファゾーンはコアゾーン(核心地帯)を開発から守るための部分で、市町村が条例を作って保全している。そうした山林で立ち木を伐採する場合は、市町村へ届け出が必要。今回はそれを担当する那智勝浦町の農林水産課に提出していたが、同課職員が教委へ連絡していなかったという▼世界遺産熊野古道はルートが公表されているが「どこが古道なのか知らない人は多い」と民間団体。保全地帯での無断伐採や工事を防ぐためにも、古道のさらなる周知徹底と同時に、最前線で保全に携わる自治体職員もまた、相互に情報を共有し、抜かりなく対応していくように求めたい。(沖)


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