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「障害者雇用」

 中央、地方官庁が挙げて、障害者雇用を水増ししていた実態が明るみに出た。田辺市も同様と、先週の本欄で「石」氏が論じていた。官僚による「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式ごまかし体質が表面化したようで嘆かわしい▼2年後の東京パラリンピック準備状況視察のために来日したクレイグ・スペンス委員の感想が最近の朝日新聞東京版に出ていた。「日本では街中で障害者とすれ違うことが少ないし、バリアフリー整備も不十分だ」。ここにも問題の本質がある▼以前ニューヨークに滞在中、日本の著名作家が「米国では市中で障害者によく会う。自動車事故が多いからだ」という見当違いのことを書いていた。実態は事故被害者が多いのではなく、自由に出歩ける環境が日本よりずっと整っていたからだった▼当時日本人の友人が事故で松葉づえ生活になったら、それまでよそよそしかった通行人などが、態度を一変させたのに驚いた。「何か役に立つことはないか」と痛いほど気配りをしてくれるのだ。彼の対米国人観がこれを機に一変したという▼本心はともかく、日本人は他人の苦難には無関心に見える。世界中の客が集まるオリンピック、パラリンピックでは、バリアフリーの整備などはもちろんだが、弱者への心遣いはどうか、具体的な態度が問われることになろう▼今回のように、官庁が率先してごまかすようでは「おもてなし」にはほど遠い。(倫)


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