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「木質バイオマス発電と小規模製材業」

 東京の事業者が新宮港(新宮市)内の工業用地を取得したという記事が先日の本紙に載った。2022年度から出力1万8千キロワットの木質バイオマス発電事業をするという▼太陽光、風力など再生可能エネルギーによる発電事業は、2012年に国が固定価格買い取り制度を始め、急増した。林地残材などの木質バイオマスを利用した発電事業も同様で県内でも今年1月、別の東京の事業者が上富田町内に進出を決めている▼今まで捨てていた残材が収入になり、低迷する林業の活性化につながるのは歓迎だ。だが、不安材料もある。必要な木材が安定的に提供できるのか、という点である▼原木は、材質によって製材、合板、チップ用など用途が分かれる。発電事業者は事前に燃料確保のめどを立てているが、事業者が増えると木材供給が追い付かず、不足する事態も出かねない。県外では、構造材に向かない低質材の一部が発電に回り、低質材を使っている主に小規模製材業者が入手できにくくなった例もあると聞く▼林野庁は「以前からの市場機能も活用し、優良材の競り売りや小口製材工場などにもきめ細かく供給されることが望ましい」としているが、その体制をどう整えるか▼県は「森林・林業総合戦略」を策定し、生産・流通の関係団体・事業所と連携して林業再生に取り組んでいる。この機会に、小回りの利く小規模製材業者の役割にも目を向けたい。 (沖)


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