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「努力って楽しいな」

 「野球から素晴らしいことをたくさん経験させてもらった」――。先週の金曜日、田辺市の紀南文化会館で開かれた講演会の冒頭、元プロ野球選手の桑田真澄さんは聴衆にそう語り掛けた▼けれども、続く言葉は「僕の人生は、挫折という言葉がふさわしい」。そういって小学校低学年のころから学校の勉強についていけずに苦しんだこと、PL学園に入って3カ月後に、学校をやめようというところまで追い込まれた体験を話し始めた▼二つの挫折を乗り越えたのが、一つは授業を集中して聞く、宿題は授業の間の休み時間に終わらせるという短期集中型の勉強であり、もう一つが「自分の信じたことを実行する」という覚悟を持った練習だったという▼興味深かったのが、二つの挫折体験から努力すること、行動することで授業が分かるようになり、野球にも自信がついたという話だった。「努力ってすごいな、楽しいな、という成功体験が生きる力になった」という言葉に共感した▼教員という名の通り、指導者は教わる側よりも、教える側の立場を優先しがちである。けれども、その前に生徒の自発性にもっと期待してもよいはずだ。「努力ってすごいな、楽しいな」と思わせるための指導である▼読書でもよい。毎日、5行の日記を書かせてもよい。生徒がそれを続けることで自信を持ち、成長へのエネルギーにしていく。そういう指導にも目を向けてもらいたい。(石)


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