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「日本人の劣化」

 相次ぐ高級官僚の汚職、有名企業の法律違反、政治家の言動などを見るたびに「日本人は劣化した」という精神科医、香山リカさんの言葉に納得する▼国家の根幹である高級官僚の腐敗は、特に嘆かわしい。財務省幹部に続いて、今度は青少年教育の規範を体現するはずの文部科学省幹部による相次ぐ汚職だ▼わが子の医学部不正入学を図った幹部に続いて、今度は接待漬けで便宜を図ったというのだから情けない。文科省の組織的天下りが問題になったのはつい昨年のこと。筆記試験だけで高級公務員を任用する仕組みは、明らかに制度疲労を起こしている▼大企業の法令違反も目に余る。神戸製鋼所、三菱マテリアル、日産自動車などのごまかしは、世界的信用を傷つけた。政治家の言動も嘆かわしいが、だれも責任を取らない。「国民のレベル以上の政府は持てない」という言葉通りだ▼下が上に習うのが世の常。民衆の規範意識が地に落ちたと思う事件も多い。親による幼児殺しが後を絶たず、看護師が無力な老人や病人に手を下す事件も続いた▼以前は「高貴の義務」という不文律が社会にあった。地位、立場に伴う責任という考えだ。これが機能している社会は美しかった。松下康雄・元日銀総裁は部下の不祥事の責任を取って辞任した時「総裁職はこんな場合に責任を取るためにある」と語ったと、同氏の死亡記事にあった。無責任時代に爽やかな風が吹いた。(倫)


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