AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「一夜限りの花」

 友人に誘われ、沖縄県の西表島にサガリバナ(下がり花)を見に行った。房状に垂れ下がったネムに似た花が午後7時ごろから咲き始め、明け方には散ってしまう一夜花である。

 ▼木はマングローブが茂る汽水域の河口に自生しており、夜明けの時間に潮が満ちていると無数の花が川面を漂う。クルーズ船から見学するだけでなく、カヌーをこいで見るツアーも人気だという。

 ▼夏は、一夜花や一日花が多い。スイフヨウ(酔芙蓉)は朝咲いた白い花が午後にはピンクに変わり、夕方には赤く染まって散る。花言葉は「心変わり」。沙羅とも呼ばれるナツツバキは、一日の終わりに白い花がぽとりと落ちる。「はかない美人」という花言葉が似合う。

 ▼夜に咲くゲッカビジンには、取材に苦労した思い出がある。夕方、「つぼみが膨らんでいる」という連絡をもらって駆け付けたが、いくら待っても咲く気配がない。今なら花が開いてから携帯に電話をもらうところだが当時はそんな便利な道具はなく、夜遅くまで待ち続けた。

 ▼ハマボウの黄色い花はいかにも南国を思わせる。日高川(御坊市)や切目川(印南町)、西岩代川(みなべ町)、高瀬川(白浜町)などの河口に自生している。田辺市新庄町の干潟公園にも盛んに咲いているし、植栽したものなら田辺市の扇ケ浜公園にもある。

 ▼その花言葉は「楽しい思い出」。暑さに負けずに咲く花に夏の思い出を重ね合わせるのもいい。 (長)


更新)