AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「写真愛好家」

 いつも出掛ける理容店の壁には、常に季節ごとの写真パネルが数点ずつ飾られている。写真が趣味の店主夫妻が撮影した写真である。

 ▼中には田辺市展や全国コンクールで入賞した作品もある。つい先日まで、奈良県宇陀市の又兵衛桜が春を告げていたと思ったら、いまは同県十津川村・玉置山のシャクナゲやアケボノツツジの花に替わっている。髪を切りに行くたびに四季の移り変わりが楽しめる。

 ▼ここだけではない。市内の商店や喫茶店で、おやっと思うような写真を見るのは珍しくない。風景に限らず、野鳥の写真だけを展示している喫茶店もあった。それだけ写真愛好家の層が厚いのだろう。

 ▼中には愛好家の域を超え、写真家として都会の有名ギャラリーで展覧会を開く人もいる。8月17日からは東京の、31日からは大阪の、それぞれオリンパスギャラリーで写真展「自画像」を開催する田辺市の山本富久さんもその一人である。

 ▼写真は一瞬の場面を切り取る光の芸術。デジタル技術の発達で、最近は誰にでも手の出せる分野になったが、それでも努力と熱意が不可欠であることは変わらない。

 ▼その一端は、紀伊民報に連載中の「四季彩々」に寄せられる写真と説明文にもうかがえる。厳冬の夜明け、雪の写真を狙って龍神地区に向かう人がいれば、満月と灯台の光の組み合わせを狙って早朝からカメラを構える人もいる。その努力の結晶が私たちを楽しませてくれる。(石)


更新)