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「熊谷守一の映画」

 田辺・弁慶映画祭が日本ファッション協会のシネマ夢倶楽部賞に選ばれた。田辺発の手作り映画祭が「新人監督の登竜門」として認められた。

 ▼映画祭をステップに活躍している一人が第2回市民審査賞を受けた沖田修一さん。受賞翌年の2009年「南極料理人」で評価され、その後「横道世之介」や「モヒカン故郷に帰る」などを撮った。この5月には画家・熊谷守一を描いた「モリのいる場所」が公開される。主演は俳優の山崎努さん。ひげをたくわえた風貌は写真で見た守一と重なる。

 ▼公開を前に「モリカズさんと私」が出版された。晩年の守一を撮影した写真家の藤森武さん、日本経済新聞の「私の履歴書」で守一の聞き書きをした田村祥蔵さん、それに沖田さんと山崎さんが協力して仕上げた本である。

 ▼そこで沖田さんは、山崎さんとの出会いが守一を映画にするきっかけになったことや藤森さんが撮影した守一の写真から脚本を発想したことなどをつづっている。山崎さんは毎日の撮影の様子を日記風に記し、藤森さんは最晩年の3年間、熊谷邸に通い詰めた日々、田村さんはその生涯を描いている。

 ▼樹木希林さんが演じる守一の妻、秀子さんはみなべ町の出身。映画は、ほとんど外出しなかった守一の一日を「小さな宇宙」と位置付けた庭を中心に撮っている。「地元」田辺では、早くも11月の映画祭に沖田さんを招き、作品を上映しようという声が出ている。 (長)


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