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「好機を生かす」

 林業に元気を取り戻そうと、行政が相次いで施策を打ち出し、行動を開始している。

 ▼県は昨年夏、森林・林業総合戦略をまとめた。5年間で原木の生産量を4割増やすという。市域に四つの森林組合がある田辺市は、林野庁から事業のモデル地域に選ばれたのを機に昨秋、県も加わって林業成長産業化運営協議会を発足させた。

 ▼国内の森林施業は、小規模で分散的に実施されている。このため、木材流通の「川上」から「川下」に至る各段階で需給状況などの情報が共有されていない。これが原木供給体制の障害になっている。県も市も、これを課題に挙げ、効率的な供給体制をつくろうとしている。

 ▼住宅建材供給の歴史を振り返ると、戦後まもなくは、旺盛な住宅需要に国産材の供給が追い付かず、不足を補う格好で外材の輸入が始まった。その後、関税が撤廃され、輸入は急増した。

 ▼しかし、林野庁の統計では木材輸入量は1996年をピークに減少傾向にあり、国産材は2002年を底に増加傾向に転じている。今は必要な量の木材を国内で提供できる体制をいかに早く整えるかが問われている。

 ▼10日にあった西牟婁森林組合田辺木材共販所の初市の平均単価は約1万2千円。ピーク時の4分の1だが、幹部は「昨年末から引き合いが堅調に推移しており、明るい兆しを感じる」という。行政のてこ入れが期待できるこの機会を生かし、林業界の課題を克服したい。(沖)


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