AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「納豆人気」

 納豆を初めて食べたのは50年前。新聞記者になって初めての任地、長野県上田市の食堂だった。

 ▼その店は警察署の近くにあり、先輩記者に連れられて毎日のように昼の食事に出掛けていた。毎回、先輩が「母さん、納豆あるかい」と聞き、食堂の女主人が「あるよ」と答える。当然のように注文し、丼飯に混ぜてうまそうに食べているのを見て、ついつい注文したのである。

 ▼独特のネバネバとかすかな臭気。刻みネギと花ガツオを加えてかき混ぜると、たしかにうまい。以来、つかず離れずの関係で、納豆との付き合いが続いている。職場の同僚に聞くと、彼らも東京の大学に行ってから初めて食べた、家庭では食べる習慣がなかったと口をそろえる。

 ▼その納豆が先日来、田辺市のスーパーでは売り切れになるほどの人気になっている。テレビ番組で「納豆の年間消費額が過去最高の2184億円」「鉄分やカルシウム、植物繊維などを豊富に含み健康によい食品」などと紹介されたからという。

 ▼数年前、バナナの効能がテレビで紹介された時には、スーパーの食品売り場から一斉にバナナの姿が消えたことがあった。その人気は一過性に終わったが、はたして今回はどうか。

 ▼人気の背景には「孤食世代」が増えて、調理が不要で価格が安定し、豊富な栄養分が手軽に摂取できる納豆が見直されているという側面もある。だとすれば、納豆同様、今回のブームは粘り強そうだ。 (石)



更新)