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「山を守る」

 20年ほど前、有田市の木材会社経営者から「山林の価格が下がっている。1町(1ヘクタール)が100万円。3町ほど買いませんか」と勧められたことがある。山が大好きだから買いたかったが、管理が難しいので断った。

 ▼10年ほど前には、田辺市内の友人から「龍神村の国道沿いの山が売りに出ている。1町5反で20万円。お買い得だから買わんせ」と勧められた。その時はもっと心が動いたが、やはり管理に自信がなくて断った。

 ▼いま、事態はより深刻になっているそうだ。相続する人がいない山、伐採の適期になったものの伐採、搬出費用やその後の山の管理費を考えると、採算のとれない山が続出しているという▼県の資料を見ると、実態が数字に表れている。スギ中丸太の1立方メートル当たり素材価格は、1980年の4万4800円から2016年には1万800円に下落、ヒノキもまた9万3千円から1万2800円になった。山で暮らす人々が嘆き、山間部の過疎化が進むのも無理はない。

 ▼こうした状態が続くと、木材の伐採、搬出についての技術を持った人がいなくなる。そうなると日本の林業はとどめを刺される。国土の3分の2を占める山林から計り知れない恩恵を受けてきた国にとっては非常事態である。

 ▼こうした現状に、政治はどんな手を打てるのか。その前に、本気で山村の振興を考えている政治家がどれほどいるのか。今度の選挙ではそこを注視したい。(石)


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