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「主役置き去りの再編劇」

 10日に公示される総選挙を前に、主役、脇役が入り乱れた政党の再編劇が耳目を集めている。

 ▼第一幕は安倍晋三首相による冒頭解散。野党が求めていた臨時国会を開いた途端に、自らの所信表明も一切の審議も抜きにして衆議院を解散した。その強引な手法を逆手にとったように第二幕が開く。

 ▼小池百合子東京都知事が新党「希望の党」を立ち上げ、自らが代表となって主役の一人に躍り出た。安倍首相の強引な政権運営を批判する人たちは保守層にも多い。そういった人たちの不満を代弁すれば勝算はある、という勝負勘が働いたのだろう。

 ▼そこに、民進党の党首になったばかりの前原誠司代表が登場して第三幕。党を挙げて希望の党に合流する方針を表明し、民進党の公認内定者を希望の党から立候補させようと計った。

 ▼いわば「死中に活」を求めたような作戦だったが、肝心の小池代表がつれない。「安全保障、憲法観といった根幹の部分で一致していることが必要最低限のことだ」と強気に出た。そこに日本維新の会との候補者「すみ分け」話や民進党分裂の動きも出てきて、ドラマの終幕はまだ見えてこない。

 ▼総選挙は国の在り方を問う絶好の機会である。その結果はこの国に住む人の生活に直結し、これから生まれてくる子どもの未来にも関係する。当然、有権者は観客でなく、主役の一人であるはずだが、現状は蚊帳の外に置かれている。それでいいのだろうか。 (石)



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