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「気候異変」

 田辺市に住むようになって13年。今年ほど夏の暑さを感じた年はなかった。冬暖かく夏は涼しいのが紀南の自慢と思っていただけに、この暑さには戸惑った。

 ▼それでも人間はまだ対策が立てられる。木陰に入れば涼をとれるし、屋内では冷房や扇風機を利用できる。冷蔵庫で冷やした水を飲んで渇きを癒やすこともできる。しかし果樹や農作物はそうはいかない。

 ▼太陽が照れば、じりじりと焼かれる。地下から水分を補給しようとしても、雨が降らないから十分には行き届かない。よく手入れされた公園や果樹園でも、樹木がぐったりと疲れ、9月の初めというのにもう葉を落とし始めている木もある。

 ▼知り合いの農家によれば、今年はことのほかミカンの実のつき方が悪く、まもなく収穫が始まる温州をはじめ年明けから収穫する晩柑類も期待できそうにないという。会社の周辺の梅畑でも木が弱っているのが一目で分かる。

 ▼海も同様らしい。白浜町の臨海沖では、かつてない規模でサンゴの白化現象が起きているそうだ。定点観測を続けている京都大学瀬戸臨海実験所の久保田信准教授によると、この20年でこれほどひどい白化現象は初めてだという。

 ▼こうした現象は紀南だけの問題ではなく、地球規模の気候変動の影響だろうか。だとすると、私たちの手に余る。しかし、この異変を正面から受け止めれば、環境に負荷をかけない生き方を考えるきっかけにはなるだろう。 (石)



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