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「マラソンの低迷」

 東京の大学に進学した37年前、友人と訪れた明治神宮外苑で、黙々と走る瀬古利彦選手を見た。陸上競技とは無縁でも、長距離界のエースの顔と名前は知っていた。練習とはいえ、そのスピード、美しいフォームに見とれたことを覚えている。

 ▼当時の日本はマラソンが強く、瀬古選手以外にも中山竹通選手や宗兄弟らオリンピックでメダルが狙える逸材が何人もいた。しかし、1992年のバルセロナ大会で森下広一選手が銀メダルを獲得したのを最後に次第に低迷。近年は入賞さえ難しくなっている。

 ▼女子も2000年シドニー大会の高橋尚子選手、04年アテネ大会の野口みずき選手と日本人が連続して金メダルに輝いたが、それ以降は成績が振るわない。

 ▼東京五輪まであと3年。各競技で伸び盛りの若い選手が世界選手権などで活躍し、スポーツ面をにぎわせている。一方、マラソンは強化が遅れている気がしてならない。高校や大学、実業団の駅伝大会はテレビ中継などで盛り上がり、将来が期待される長距離ランナーも大勢いるはずなのに寂しい限りだ。

 ▼真夏、湿度の高い東京で開催される20年の五輪は暑さとの戦い。史上、最も過酷なレースになるといわれている。しかし、地の利を生かせば、世界のトップランナーのスピードには太刀打ちできない日本人選手も、勝機がつかめるのではないか。

 ▼悪条件が追い風になるとは、素人の浅はかな考えだろうか。 (河)



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