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「クマタケランと温暖化」

 12年前、串本町の大島で、薄暗い樹林に群生するアオノクマタケランが白い花を咲かせているのを見つけた。偶然の出来事だったが、その光景に目を奪われ、この季節になると毎年のように訪れている。今年も行こうと思っていたら、先日の本紙に枯れて減ってきたという記事が載った。

 ▼ショウガ科の多年草で、6月に花を咲かせ、12月に実が熟して赤くなる。一部は正月の生け花用に出荷されている。ところが近年、春になっても実が緑のままの株が目立つそうだ。新しい葉や花だけでなく、古い葉や実にも養分を使うため、株全体が疲弊している。温暖化で冬の冷え込みが足りなくなっているからではないかという。

 ▼京都大学フィールド科学教育研究センター紀伊大島実験所の梅本信也所長(57)によると、アオノクマタケランは木漏れ日の下で霜が降りず、強風があたらないなど幾つかの条件がそろう環境でないとうまく育たない。十数年前に変調に気付いたが、ここにきて本格的に問題が出てきたようだという。

 ▼花に元気がなくなってきていると感じていただけに合点がいった。同時に、では梅はどうなのかと気になり始めた。落葉する秋に剪定(せんてい)が始まるが、年を越しても緑の葉を多く残した枝を見ることが多くなったように感じるからだ。

 ▼専門家によると、今のところ大きな支障はないそうだが、注意深く変化を見ていく必要があるのではと思っている。 (沖)



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