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「中国と北の核」

 「相互抑止力」とは、米ソ冷戦時代にできた軍事用語だ。「やったら相手にもやり返され、こちらも手ひどい打撃を受ける。だから、最初の手出しを止めよう」という意味で、双方が互いに自制して際どい平和が保たれてきた。

 ▼小さな独裁国家、北朝鮮が超大国・アメリカに向かって、この相互抑止力を手に入れようと必死だ。ミサイルを使って米本土を核攻撃できるようになれば、対等に交渉できるというのが、北の独裁者のシナリオだ。

 ▼「そうはさせない」というトランプ米大統領は「先制攻撃を仕掛けるぞ」と脅しをかける。しかしながら北が韓国、日本など米国の同盟国へ核兵器やミサイルを使った攻撃能力を持ち始めているので、米国も簡単には北への軍事力使用に踏み切れない。

 ▼ではどうするか。日米韓が決め手と考えているのが中国であり、その力を使って北を実質的に締め上げることだ。中国が本気になれば、北は崩壊の危機になる。

 ▼しかしそれは必ずしも中国が望むコースではない。彼らは北は生かさず殺さず、おとなしくしていてくれるのが一番と考えている。先日の米中首脳会談でも、対北戦略で足並みがそろわなかった。日韓、日中関係ももつれており、正常化への道は遠い。そこにつけ込んで北は綱渡り戦略を続けている。

 ▼日本としては、北の核能力充実を座して待つのが一番まずい。しかし各国とも手詰まりで、最悪のコースをたどっている感が深い。(倫)



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