AGARAKiiLifeみかんKiiSearch

「島の名前」

 先週末、本紙の「声」欄で読んだ木村甫さんの投書に興味を持った。すさみ町見老津沖の「ソビエト」という島の名の由来について、異議を申し立てていたからである。

 ▼この島名について、1月3日付朝日新聞は「港から遠く、最果ての地という印象からソビエトを連想して名付けられたのではないか」という町の担当職員の話と「そびえとるから、ソビエト」という渡船の船長の説を紹介。元和歌山市立博物館長が「そびえとる」説を推している、と書いている。

 ▼二つの説に対して、すさみ町の文化財審議会の委員長でもある木村さんは「島名の大抵は、江戸から明治のころに土地の人に呼ばれてきたものだから、大正6年に成立したソビエト連邦が関連するとは考えられない。また、満潮時に水没するような島をそびえていると表現するのはおかしい」と批判する。

 ▼そのうえで、満潮時に水没する島には、かつては藻が一面に生えており、漁師は滑らないように注意が必要だった。それでも滑った経験のある釣り人は何人もいたと思う。島名はだから「滑った」の変化であろう、と主張している。よく分かる説明であり、現地の写真を見れば一目で納得できる。

 ▼土地の名はその地形や特徴に由来することが多い。逆にいえば、どんなに小さな島であっても、その名前に地域の歴史が詰まっている。そこをもっと大切にすることが必要ではないか。ことは愛郷心につながる話である。 (石)



更新)